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弁護士に頼らず1人でできる! 未払い残業代を取り返す方法
【第2回】 2011年10月4日
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松本健一 [特定社会保険労務士]

「残業」とは何かを知っておこう

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未払い残業代を取り戻そうと思ったら、まず、そもそも「残業」とは何かを理解していなけれればいけない。それがわからなければ、残業代の根拠となる数字が出せないからだ。どこまでが残業代になるのか、割増分はどれだけかなどについて、『未払い残業代を取り返す方法』を上梓した松本健一氏に聞いた。

「法律で定める残業」と「就業規則で定める残業」
どちらが有効か?

 「サービス残業」や「未払い残業代」を問題にするためには、そもそも「残業」とは何か、基本的な知識を押さえておかなければなりません。基本的な知識というのは、主に法律上はどう規定しているかということです。

 労働基準法(以降、主に「労基法」と略す)は、1週間に40時間、1日8時間を超えて労働させてはならないと規定しています(32条1項、2項)。これが法律で定める労働時間で、「法定労働時間」といいます。この法定労働時間を超えて働いた場合が時間外労働、すなわち法律上の「残業」になります。

 会社はそれとは別に、労働契約書や就業規則に「昼食休憩の12時00分~13時00分を除く9時00分~17時00分までを勤務時間とする」などと、通常の労働時間を定めてあるのが普通です。これを「所定労働時間」といいます。

 所定労働時間を超えて働く場合も社内的には残業ですが、1日8時間、週40時間内の部分は法律上の時間外労働ではないため、割増しとなる残業代を支払う義務はありません。

 もちろん、会社が「所定労働時間を超えて勤務した場合は残業代を支払う」旨を就業規則などで決めてあれば、法定内労働時間であっても社内的には残業代を請求できます。

 ただし、法定内労働時間の部分は労基法で定める割増賃金の対象にはなりませんし(会社が割増しを払うと決めてあるのなら有効)、のちに労働審判などによって請求する場合には和解などで対象から除外される場合もあります。

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    松本健一 [特定社会保険労務士]

    特定社会保険労務士。上場企業で人事総務業務を約10年経験したのち、ヒューマンサポート社労士事務所を開業。開業当初から、企業と社員との間で発生する個別労働紛争の解決業務に積極的に取り組み、数多くの事件を解決する。現在は、弁護士、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士と提携し業務を進めている。個別労働事件未然防止業務、個別労働事件解決業務(労働者側の依頼にも積極対応)、労働環境適正化業務を中心に活動。これまで1000件以上の未払い残業代問題の相談に乗り、労働審判の本人申立支援では第一人者的存在。企業側、労働者側を問わずに相談を受け、日本では数少ない“働く人(社員、アルバイトなど)のサイドにも立って闘う”社労士。
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