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吉田恒のデータが語る為替の法則

豪ドル、ユーロは下がりすぎなのか?
今後のカギを握るのは米ドル/円の動き!

吉田 恒
【第155回】 2011年10月11日
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 円以外の通貨に対して米ドル高が大きく進んだ結果、いわゆるクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)はこの間、軒並み急落となりました。

 今回は、豪ドル/円、ユーロ/円といったクロス円の今後の行方について考えてみたいと思います。

対円と対米ドルで異なる豪ドルの「2つの顔」

 豪ドルは対円でも、対米ドルでも、短期的には下がりすぎ警戒域に入っている可能性があります。

 ただ、中期的には対円と対米ドルでは位置付けがかなり違うようです。対円では割安感がほぼ是正されましたが、対米ドルでは依然として大幅な割高の可能性があるだけに、その意味では下落余地が大きいと言えるのではないでしょうか。

 「資料1」「資料2」のように、豪ドルは、対円でも対米ドルでも、90日移動平均線からのカイ離率が一時マイナス10%前後まで拡大してきました。

資料1

 

資料2

 

 これは、経験的には短期的な下がりすぎ懸念が強いことを示しています。

 一方、適正水準の目安である購買力平価との関係をみると、対円と対米ドルではかなり違っています。

 豪ドル/円の購買力平価は足元で71円程度ですから、豪ドルはこの間の割高が修正され、ほぼ中立圏に戻ったと言えそうです(「資料3」参照)。

資料3

 

 ただ、豪ドル/米ドルの購買力平価は最近でも0.7ドル程度。その意味では0.9ドルを豪ドルが上回っている中では、依然として3割程度の大幅な割高に変わりないわけです(「資料4」参照)。

資料4

 


割高修正の豪ドル下落リスクには、こんなふうに見ると、対円と対米ドルでかなり差があると思います。

ユーロも対円と対米ドルでまったく「別の顔」に

 このように、対円と対米ドルで、短期的にはともかく、中期的にはまったく異なる「2つの顔」になっているのは豪ドルだけではありません。

 ユーロの場合は、豪ドル以上に、対円と対米ドルでまったく「別の顔」になっているのです。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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