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預金流出、高利貸し、経営者の夜逃げ……
中国中小企業の大異変が物語る
持続的な経済成長の限界

2011年10月13日
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中国各地で中小企業に異変が起きている。預金流出に高利貸しに頼った投機。挙句の果てに、経営に行き詰まり経営者の夜逃げも急増。ものづくりも危うくなってきた。この異変は中国型成長モデルの限界を示しているのではないだろうか。(在北京ジャーナリスト 陳言)

 中国では、10月初旬に1週間以上の大型連休があった。国務院の温家宝総理は、休みを取らず、夜逃げが多く発生した「浙江省で経済運営の状況について(10月)3日と4日の2日間を使って調査した」と、国営新華社通信が伝えた。

 温総理は、紡績関連の企業を視察し、市民の生活もあわせて調べた。国内の経済情勢は安定しており、とくにマクロ経済に問題が起きているわけではないと強調した、と新華社は報道したが、民営企業の経営が青息吐息の状況にあり、とくに金融の行き詰まりや、民間では高利貸しが跋扈していることについて、温総理がどんな指示をしたかは、触れずじまいだった。

 「パォルーチュオ(足へん包と路潮)」、すなわち「夜逃げ」が浙江省あたりで、静かな流行語になり、その流行の風が吹いてくると、ほぼすべての人は鳥肌が立ってしまう。夜逃げは浙江省だけでなく、いまや中国どこでもある現象とも言えよう。

 鉱山や土地バブルが高揚するなか、土地、鉱山さえあれば、一夜にして暴富(成金)になれた。借金してでも住宅や鉱山を購入しようとしている。先に豊かになった浙江省の人々は、生産を投げ捨てて全国へ不動産の購入に走りだした。また、石炭資源に恵まれた内蒙古の人は、座ったままで財が入ってくる。だが、バブルが弾ける時がやってくると、高利貸し経済の最終段階である夜逃げがやってくる。

 中国の中小企業は、一番先にその影響を受ける。その異変から中国経済の一側面が垣見することができる。

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