変化する寄付市場の文脈

「日本が2011年に外国から受ける援助額は、世界一になる見通し」(注1)

 これは、日本経済新聞の4月時点の報道だった。それに対して、海外からの支援を希望する寄付者たちは、選択肢が少ないことに今も不満を抱えている。

「赤十字以外の支援先のオプションはないのか?」

 海外の支援者と話をする度に、こういう要望を耳にする。事実として、海外からの寄付や義援金の窓口として、最も機能したのが赤十字であることは疑いの余地はない。だがその一方で、「顔が見える相手に寄付をしたい」、「寄付の効率をもっと考えてほしい」、「社会の変革につながるような使い道はないのか」、といった声が海外から寄せられている。

 ここで、少しだけ解説しておこう。グローバルな寄付市場には幾つか文脈がある。一つ目は、いわゆる「慈善活動」。日本で一般的なのはこの文脈だ。支援の対象者の実態や変化を物語として伝え、共感を得ることで寄付を獲得する。二つ目は、寄付の「効率」だ。寄付のうち何割が支援に使われるのか、管理費にいくら計上されるのか、資金を管理する能力が団体に十分にあるのか、などが評価される。三つ目は、寄付の「倍率」が問われる。「ベンチャー・フィランソロピー」と呼ばれ、失敗してもいいから、社会の変革に挑戦してほしい、その可能性の高いものを応援したい、という特徴がある。

 今回の訪問で、日系アメリカ人が特に期待していのは、「ベンチャー・フィランソロピー」の文脈で話をすることだった。


(注1)「日本、震災で“世界一の援助受け取り国”に」2011/4/14 日本経済新聞 電子版