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「非・被災地」は何を学ぶのか――「東北」から未来をつくる起業家を追う
【第4回】 2011年10月14日
著者・コラム紹介バックナンバー
加藤徹生 [社団法人wia代表理事]

【第4回】
東北の人材難を「東京から」解決する
「右腕派遣プロジェクト」で
疲弊したリーダーを救うNPO法人ETIC.

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  これまで、東北で復興支援に挑む若手起業家の活動に焦点を当ててきた。これからの2回の連載では、最前線で行動する起業家を、「非・被災地」である東京や海外とのネットワークを使って後方支援を行う人々の動きを追う。
  今回、紹介するのは自らのキャリアを大きく変え、東北に戻って活動を始めようとする若者たちと、それを仕掛けたNPO法人ETIC.の活動だ。

一部上場企業を辞めて、復興支援の道へ

 「僕に何かできることはないかと思って、やめちゃったんですよね」

復興のために、「東北Rokuプロジェクト」に参画した藤澤明弘。

 藤澤明弘(25歳)は一部上場の流通企業を退職し、復興支援の道へと進んだ。大学時代を過ごした宮城に恩返しがしたい、その思いゆえの選択だった。

 自らの経験を活かして、復興に携われることはないか。そう模索していた時に出会ったのが、「農業の六次産業化」(注1)を推進する「東北Rokuプロジェクト」だった。しかもこのプロジェクトは、障がい者に活躍の機会を与え、業務の主力として雇用するという壮大なプロジェクトでもあった。彼らは、農産物を生産するだけではなくて、販売やレジャーとしての機能も充実させた次世代のショッピングモールを開設しようとしている。その新しい発想が、藤澤を惹きつけた。

 この2者が出会ったことで、新しい化学反応が生まれた。大手流通業で培った藤澤の経験と、あえて復興支援の現場に飛び込もうという前向きな開拓精神こそ、東北Rokuプロジェクトが求めていたことだったのだ。藤澤は今、東北Rokuプロジェクトのプロデューサー・島田昌幸氏の「右腕」として、店舗開設を担当するマネージャーとして、仙台市や名取市で、日々奮闘している。

 藤澤のように復興支援の道へ転ずる若手社会人は、実は少なくない。むしろ緊急支援のフェーズが落ち着いてからは、藤澤のようなケースばかりを見る。東北にゆかりのある人材が、東北の危機に黙っていられなくなり、勤めていた企業や組織を辞め、人生を賭けて東北の復興に挑もうとしている。


(注1)ここでは、生産、加工、販売の融合を目指すことで新たな付加価値の実現を目指す動きを指している。

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加藤徹生 [社団法人wia代表理事]

社団法人wia代表理事/経営コンサルタント。
大学卒業と同時に経営コンサルタントとして独立。以来、社会起業家の育成や支援を中心に活動する。 2009年、国内だけの活動に限界を感じ、アジア各国を旅し始める。その旅の途中、カンボジアの草の根NGO、SWDCと出会い、代表チャンタ・ヌグワンの「あきらめの悪さ」に圧倒され、事業の支援を買って出る。この経験を通して、最も厳しい環境に置かれた「問題の当事者」こそが世界を変えるようなイノベーションを生み出す原動力となっているのではないか、という着想を得、『辺境から世界を変える』を上梓。
2011年6月末より、東北の復興支援に参画。社会起業家のためのクラウドファンディングを事業とする社団法人wiaを、『辺境から世界を変える』監修者の井上氏らとともに9月に立ち上げた。
twitter : @tetsuo_kato


「非・被災地」は何を学ぶのか――「東北」から未来をつくる起業家を追う

  東日本を襲った大震災から7か月。多くの避難所は閉鎖され、被災地には仮設住宅が立ち並ぶ。一方東京では、震災などなかったかのような空気が流れ、今も福島を蝕む放射能すら、忘れられてしまったかのようだ。
  だがまさにいま東北では、「新しい未来」をつくろうと動き始めた起業家たちが生まれている。本連載では、彼らの足跡を追い、その構想を見ていく。岐路に立つ日本にあって、いち早く「変わっていくこと」を突きつけられた被災地から、「非・被災地」にいる我々はいったい何を学べるのだろうか。

「「非・被災地」は何を学ぶのか――「東北」から未来をつくる起業家を追う」

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