昨年あたりからNHKのEテレが「攻めている」とメディアで取り上げられるようになった。かつてEテレは「教育テレビ」という名の堅いイメージの放送局だったが、2010年にその名称を変え、最近では“民放より大胆なことをしていて、子どもはもちろん、大人が見ても面白い”ともっぱらの評判だ。「スポンサーを気にしないでいい」という民放とは違う立ち位置にあるものの、それは最近始まったことではない。 Eテレになにかあったのか?
そこで直接、関係者に話を聞いてみることにした。まず尋ねたのは、Eテレが「攻めている」と言われるきっかけとなった番組でもある「ねほりんぱほりん」を担当する、青少年・教育番組部チーフプロデューサーの大古滋久氏。「ねほりんぱほりん」は元薬物中毒者、元国会議員秘書、痴漢冤罪経験者、整形した女性、など“ワケあり”の人物をゲストに招き、事の真相や本音を根堀り葉堀り聞き出していくという番組。
普通ならとてもテレビで話せない内容がぼんぼん飛び出すのだが、この番組のすごいところは出演者を「人形劇」で仕立て、匿名・顔出しナシで成立させていること(上部写真参照)。モザイクではなく人形で顔を隠すことで、“教育テレビ”らしく明るい雰囲気でワケありトークが展開される。Eテレでこんなことをやってしまおうと思った大古氏は、一体どんな人で、どんなことを考えて番組を作っているのか? 根堀り葉堀り聞いてみた。