「SOU」の主軸であるブランド品買取店「なんぼや」グループは、全国に40店舗展開している(2017年2月現在)。だが、買い取った商品は店頭に並んだり、一般客に販売されたりすることはない。この点が一般的なブランド品買取サービスとの大きな違いだ。

嵜本晋輔(さきもと・しんすけ)/SOU代表取締役社長。1982年生まれ大阪府出身。関西大学第一高校卒業後、Jリーグ「ガンバ大阪」へ入団。引退後、2007年にブランド買取専門店「なんぼや」をオープン。2011年にSOUを設立し代表取締役に就任。「なんぼや」の他、予約もできる買取専門店「BRAND CONCIER」、オークション事業「STAR BUYERS AUCTION」、BtoC販売事業「ヴィンテージセレクトショップ ALLU」「ブランドリセールショーZIPANG」を展開している  Photo by Y.K

「なんぼや」が買い取った品は、月に4回開催される「スターバイヤーズオークション(STAR BUYERS AUCTION)」というオークションに出品され、同業他社に売りさばかれていく。熱気あるオークションの参加者は同業他社だったのだ。月に約2万点の商品がさばかれ、10億〜13億円の出来高になるという。

 だが、なぜ店頭販売(BtoC)を捨て、同業他社への販売(BtoB)に舵を切ったのか。SOU社長の嵜本晋輔は、ブランド品の本質を「金融商品」と喝破する。

「どんなに高いブランドバッグでも、買ったその日から価値は目減りしていきます。それなら動きの遅い消費者に販売するよりも、同業他社に販売したほうがすぐに換金できる。商品の変動リスクを最小限に抑えることができるんです。『半年先の100万円より明日の80万円を取る』という精神です」と語る。

 事実、嵜本によれば、買い取ったブランド品の在庫回転期間は約35日。ほとんどすべての品が1ヵ月以内に現金化されていることになる。同業他社が3〜4ヵ月程度であることと比べるとその効率の良さが分かる。「BtoCで億単位の在庫を抱えても、1店舗で売れるのは1日50万円くらい。その上、販管費も乗ってくる。ならば『買取のみ』に絞ろうと決めたんです」。

 自社の戦略を論理的に語る嵜本は、鑑定士としても全国でキャリアを積んできた。だが、その冷静な口調やスマートないでたちからは想像もつかない。嵜本が15年前までJリーガーだったとは。