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野口悠紀雄 未曾有の大災害 日本はいかに対応すべきか

製造業が国内に留まっても、雇用は減少する

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第35回】 2011年10月20日
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 「製造業の海外移転は阻止すべきだ」と言われるとき、理由として挙げられるのは、国内雇用に対する悪影響である。

 確かに、海外移転が進めば国内の空洞化が進み、国内雇用は減少するだろう。しかし、問題は、この裏命題が成立するか否かである。つまり、「製造業が国内に留まれば、雇用は確保される」と言えるかどうかである。

 形式論理学が教えるところによれば、裏命題と逆命題は等価であり、元の命題が正しくても逆命題が正しいとは限らない。したがって、「海外移転が進めば国内雇用は減少する」ことが正しいとしても、「海外移転が進まなければ、国内雇用は減少しない」ことは、論理的には保証されないのである。

 以下では、過去のデータを分析することにより、「仮に製造業の国内生産が拡大したとしても、国内雇用は減少し続ける可能性が高い」ことを指摘する。

 この問題に関する多くの議論は、形式論理学上の誤謬に陥っているのである。

製造業は90年代の初め以降、
雇用を減らしている

 【図表1】には、雇用者総数と製造業の雇用の長期的な推移を示す。

 製造業の雇用は、1970年代の初めまで増加を続けて、73年には1203万人に達した。しかし、石油ショックで停滞、ないし減少した。その後、78年頃をボトムとして再び増加し、92年に1382万人になった。しかし、これがピークであり、それ以降は減少している。

 2010年における雇用者数は996万人だから、ピークに比べれば実に400万人近くも減ったわけだ。年間でいえば、20万人程度の減少だ。

 では、製造業の雇用は、なぜこのように減少したのだろうか?

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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