日本が世界の“かも”になっている──。再生可能エネルギーで発電した電気を政府が一定期間買い取る固定価格買い取り制度(FIT)。その対象となる「木質バイオマス発電」の認定容量が急増している。
2015年度に策定された長期エネルギー需給見通しでも、バイオマスは水力、太陽光と並ぶ「再エネ3本柱」とされた有力電源だ。
しかし、バイオマス発電のほとんどを占める木質バイオ発電は問題だらけだといわざるを得ない。
経済産業省・資源エネルギー庁によると、木質バイオ発電の認定容量は15年度の295万キロワットから16年度の1147万キロワットまで約4倍に膨れ上がった。
その理由は、発電量が2万キロワット以上の発電所は、今年10月以降に買い取り価格が従来の1キロワット時当たり24円から21円に下がると決まっていたため、直前に事業者が駆け込みで申請したからだ。
エネ庁の担当者は「取りあえず認定のお墨付きだけ欲しいという業者は少なくないと感じる」と打ち明ける。事業性の裏付けがなくても、書類さえ整えば、(買い取りの)認定を与えていたことを暗に認めた形だ。
現在実際に導入されているのは、認定容量の1割にも満たない33万キロワットにとどまっている。