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相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

思惑入り混じる大阪秋の陣、“舌戦”の舞台裏
二重行政の弊害を破るダブル選挙の「真の価値」

相川俊英 [ジャーナリスト]
【第36回】 2011年11月2日
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大阪維新の会 VS 反維新の会
火ぶたを切った「大阪秋の陣」

 これほど対立軸がはっきりした地方選挙は珍しい。また、日本全体に及ぼす影響の大きさがこれほどの地方選挙であることも。そして、だからこそ、告示前からこれほど激しい舌戦が展開されているのだと言える。大阪ダブル選挙のことだ。

 大阪市を解体し、特別区に再編する「大阪都構想」を掲げる「大阪維新の会」と、現在の枠組みの死守を叫ぶ反維新陣営による「大阪秋の陣」が火ぶたを切った。大阪府知事選(11月10日告示)と大阪市長選(11月13日告示)に互いに候補を擁立し、相手陣営を激しく攻撃し合っている。

 「大阪都構想」の是非を問うというわかりやすいダブル選挙だが、その一方で、戦いの構図は複雑怪奇なものとなっている。反維新陣営内(共産党を除く)に様々な思惑が入り混じり、足並みに乱れが生じているからだ。

 そのなかでもまとまりを欠くのが、自民党である。知事選の候補者選定が迷走し、名乗りを上げる動きが続くなど、告示日ギリギリまで予断を許さない状況となっている。自民党本部と大阪府連、大阪府議団、大阪市議団の4者が一枚岩となっておらず、それぞれが不信感を募らせている感さえある。

 大阪府と大阪市が長年いがみ合い、「府市合わせ」な関係となっているのと同様の現象である。実は、大阪の知事選で自民党が分裂選挙となるのは、半ば恒例化している。

 10月29日に自民党大阪府支部連合会大会が開催され、会場に500人以上の党員が詰めかけた。大会は、東日本大震災の犠牲者への黙とうと、君が代、自民党歌の斉唱で始まった。全国が注視するダブル選挙直前の大会である。

 しかも、前日に自民党参院議員の丸山和也氏が知事選出馬の意向を表明していた。報道陣が大挙して押しかけ、異様な雰囲気に包まれた(その後、丸山議員は不出馬を表明し、都知事選に続いてまたしても「出る出る出ない候補」に終わった)。

 国会議員が次々にマイクに向かい、2年余りで3人目の総理大臣となった民主党政権の稚拙さや出鱈目さを激しく批判した。そして、財務省と官僚、それに労働組合に依存する野田内閣に公務員改革はできないと批判した。

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相川俊英 [ジャーナリスト]

1956年群馬県生まれ。放送記者を経て、1992年にフリージャーナリストに。地方自治体の取材で全国を歩き回る。97年から『週刊ダイヤモンド』委嘱記者となり、99年からテレビの報道番組『サンデープロジェクト』の特集担当レポーター。主な著書に『長野オリンピック騒動記』など。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!

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