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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

「日本は“世界の最先端”に踊り出るチャンスがある」
――FX(次期主力戦闘機)の選定で最有力視される
米ロッキード・マーティン社の経営幹部を直撃
フィリップ・N・ジョーガリオ副社長インタビュー

週刊ダイヤモンド編集部
2011年11月4日
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世界各国で軍事予算の削減が進行するなかで、国防を担う戦闘機の生産コストは上がり続けている。今や、1機当たり100~200億円もの大金が必要になる戦闘機は、“国際分業による共同開発体制”を考慮せずには成り立たなくなっている。世界の防衛産業の頂点に立つ、ロッキード・マーティン社の副社長に、日本と米国の関係や、日本の産業界への技術移転の可能性を含めて話を聞いた。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 池冨 仁)

フィリップ・N・ジョーガリオ(Philip N. Georgariou)/米ロッキード・マーティン社ストラテジック・パートナリング担当副社長。米ペパーダイン大学で人材管理の学士号、米南カリフォリニア大学大学院でシステムエンジニアリングの修士号を取得。1989年に米海兵隊を退役後、海軍航空システムコマンドでプログラムの開発・調達・マネジメント業務などに携わる。ロッキード社に転じてからは、米軍のJSF計画(統合攻撃戦闘機の開発計画)や、ロッキード社内の特命チームのスカンクワークス(先進開発計画)などで概念実証機の開発および量産機の設計に参画してきた。現在は、日本および東アジア地域で、産業協力プログラムの策定を含めた事業展開に従事する。
Photo by Toshiaki Usami

――日本の防衛省は、9月26日に、航空自衛隊へのFX(次期主力戦闘機)の納入をめぐって、国外の戦闘機メーカーからの提案書の募集を締め切った。まず、米国や英国など計9ヵ国が参加して共同開発中の「F-35ライトニングII」(米ロッキード・マーティン社)。次に、主に米海軍で採用されている「FA18/EF(スーパーホーネット)」(米ボーイング社)。そして、英国、ドイツ、イタリア、スペインが共同開発した「ユーロファイター・トランシェ2(タイフーン)」(英BAEシステムズ)。この11月中に、3陣営のなかからどこか1社の戦闘機が選ばれるとされている。現在、どのような状況にあるのか。

 すでに、提案書が出された後の「防衛省からの質問に答える段階」に入っている。すなわち、ロッキード社は“待ちの状態”ではあるが、専門的かつ細かい確認事項などが多々あるので、単にイスに座って待っているのではなく、私も含めてスタッフは忙しい毎日を送っている。正式には、米国政府が、日本の防衛省に提案した計画なので、われわれも誠心誠意取り組んでいる。

 まず、何よりも、ロッキード社が中心になって開発した「F-35」は、世界最先端の技術で設計された唯一の“第5世代戦闘機”であり、ほかと比べて群を抜く戦闘能力を持っている。今回の選定で競合相手となった「FA18/EF」や「ユーロファイター」は、技術的には“第4世代戦闘機”に過ぎない。

 端的に言えば、われわれの「F-35」は、ハードウェア(戦闘機の機体)とソフトウェア(搭載するシステム機器)を統合して、全体を管理・運用するという、まったく新しいコンセプトで設計されたプログラム(システム兵器)だ。だから、「F-35」を選んでもらうことは、日本政府にとっても、日本国民にとっても、多大なるメリットがある。

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