カーデザイナーで元トヨタ社員でもある根津孝太さん  Photo by Youhei Kurihara

9月19日、トヨタ自動車はスポーツカーの新ブランド「GR(ジー・アール)」を発表した。スポーツ仕様車の投入によって、若者への販売を強化する方針を打ち出した形だ。しかし、車にかつてのような価値を見いだせない若者の需要を喚起できるのか、疑問の声も聞かれる。10月7日に『カーデザインは未来を描く』を上梓した、カーデザイナーで元トヨタ社員でもある根津孝太さんに、その解決策を聞いた。(取材・文/福田 さや香+YOSCA、企画編集/FIREBUG)

GRのすごさが分かる人は
もはや車オタク

──トヨタが発表した「GR」ブランドについて、根津さんは若者の需要喚起という観点からどのようにご覧になりますか。

「GR」はスタイリング重視というよりも、走りがきちんと磨き込まれたものに仕上がっている車です。トヨタの社長である豊田章男さんの想いは、「乗ってくれさえすれば、走る楽しさが分かる」ということなのでしょう。その考え方は正しいですし、企画としてもすばらしい。でも、かつてのように新車を店頭に置けば人が来てくれる時代じゃないので、お客さんとの間にブリッジをどうかけるのかが課題ですよね。