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エコカー大戦争!

スバルBRZ改良型全開試乗!日本市場にいまスポーツカーは必要か?

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第228回】 2016年7月5日
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登場から4年目を迎え、ビッグマイナーチェンジを施されたスバルBRZ。「走り」の進化はいかに? Photo by Kenji Momota

新車導入4年目のビックマイナーチェンジ
走り始めて3秒で分かる「走りの違い」

 低重心を強調する、ダイナミックでワイド感のあるフロントバンパー。LEDを埋め込んだ前後ライト。新デザインの17インチアルミホイール。

 2012年の登場から4年目、ビックマイナーチェンジした、スバル「BRZ」。目玉は、2016年8月1日発売の「S」と、ブレンボブレーキとSACHS社のサスペンションを装着した今秋発売予定のプロトタイプ。

 その走りを、静岡県の富士スピードウェイ・ショートコースで思う存分に味わった。

 1速でピットロードを加速しただけで、「おっ、こりゃ随分変わったな」と“違い”を実感。

BRZと86に搭載する、スバルのボクサーエンジン。水平対向型で低重心がウリ Photo by Kenji Momota

 水平対向4気筒DOHC・2.0リッターでは、最高出力で7馬力、そして最大トルクで7Nmほどの微増ながら、ファイナルギア比が4.1から4.3に変更されたことで、出足の良さが確実に良くなったのだ。

 また、エキゾーストマニホールド(排気系パイプ)の改良によって、エンジンの吹き抜け感が増したことが、ドライビングシートに直接伝わってくる。

 コースに入ると、短い直線路で時速80キロでスラローム走行したり、きつい上りのコーナーで故意にオーバーアクションなステアリング操作をしたりして、「違い」を浮き彫りにするような走りを続けた。

4.2インチカラーTFT液晶など、インテリアでも質感向上のために各所を改良 Photo by Kenji Momota

 すると、事前に配布された広報資料にあるように、ステアリングとペダル操作に対するクルマの応答性が、明らかに良くなっている。しかも、乗り心地とのバランスが良い。これは、ダンパー(ショックアブソーバー)とコイルスプリングのセッティングを変更し、リアのスタビライザーを太くし、さらに車体各部の補強を追加した効果だ。

 また、スバル関係者が「是非試してください」と言う、『トラックモード』の効果もはっきりと分かる。これまでのモデルでは、横滑り防止装置のVDCが介入するタイミングが早いため、サーキットなどのスポーツ走行では、ドライバーが“戦意喪失”してしまうことが多かった。今回は、VDCをオフにした場合よりも、さらにアグレッシブな走りを楽しむために『トラックモード』を設定したのだ。

 これをオンにして走行すると、急旋回時にリアの滑り出しが起こり、FR(フロントエンジン・リアドライブ)車らしい挙動が出る。

 うぅ~ん、こうしていると確かに愉しい。

 「クルマを意のままに走らせること」は人間にとって「愉しさのひとつのかたち」なのだと、改めて思う。

 ただし、こうした「愉しみ方」をする人々の絶対数はいま、伸び悩んでいる。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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