連泊に不向きなカプセルホテル業界で
注目集める「1980円ホテル」とは

 かつては日雇い労働者しか宿泊客がいなかったといわれる簡易宿泊所、通称「ドヤ」の宿泊客に近頃、ビジネスパーソンや就活生の宿泊が目立ってきたといわれるのは、こうした事情からである。

 その「ドヤ」は今、大阪・西成のあいりん地区、東京・山谷、横浜・寿町といった地域に存在するが、宿泊費は1泊当たり、低価格帯のところで3000円程度と、思ったほどは安くない。最近では5000円弱というところも増えてきた。

「なかには3000円弱のところもありますよ。でも、そういうところは馴染み客がいるのか、まず空いていることはありません。なので、どうしても5000円程度のところに泊まらざるを得ないのです」(同)

 東京・山谷や大阪・西成住民たちの話によると、低価格帯の「ドヤ」の多くは今、“福祉アパート”を兼ねており、生活保護受給をしている人の「住居」として機能していることから宿泊客を受け入れるキャパシティがないという。

 またビジネスホテルよりも安価とされるカプセルホテルも、都心では1泊3000~5000円程度と、決して“格安”とは言い難い。中には連泊ができず、毎日チェックアウト・チェックインの手続きを行わなければならないなど利便性に課題があるところもある。

鴬谷駅から徒歩15分。極限までサービスを削ぎ落とし、超低価格を実現したホテルだ

 連泊ができるところでも荷物を置くスペースが限られている。荷物置き場として共有スペースもあるが、盗難の危険も大きい。荷物も多い長期滞在には不向きだ。

 こうした事情から、「ドヤ」にもカプセルホテルにも宿泊できないビジネスパーソンや就活生の間で今、深く静かに注目されているのがカプセルホテルの「1泊1980円ホテル」である。

 この「1泊1980円ホテル」は東京駅から山手線で約10分、鶯谷駅で降りて根岸方面に約15分ほど歩いた立地にある。銀座駅からだと東京・メトロ日比谷線で約20分、入谷駅で降りて、三ノ輪方面に歩いて約5分の立地だ。

 省けるコストをすべて省き、最低限、宿泊に必要なサービスしか提供しないことで低価格化を実現したというだけあって、ここで提供されるサービスは他のカプセルホテルと比べると驚くほど簡素である。

 まず、寝具は、枕カバーやシーツは客が自分で替えなければならない。ただし、毎日でも、「替え」は用意してくれる。フェイスタオルは1日1枚まで無料提供、シャワーも無料で1日何度でも使える。ドライヤーも備え付けのものが用意されていた。