クラフトビールの醸造においては、一般の製造業と同じく、商品の販売力に見合った計画的な醸造設備拡張が重要だという 写真提供:Far Yeast Brewing

11月7日、非上場ベンチャー企業の投資家であり、支援者でもあるエンジェル投資家に、誰でもなることができる新サービスが始まった。エンジェル投資家といえば、豊富な資金に加えて起業の成功体験や広い人脈がなければなれなかった。その存在が、企業と個人の双方にとって身近なものになりつつある(文中敬称略)。(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)

 造り手のこだわりがこもった、多種多様な味わいを楽しむことができるクラフトビール。その醸造を手掛けるFar Yeast Brewing(ファーイーストブルーイング)の創業者である代表取締役の山田司朗は、2017年の夏、あるジレンマを抱えていた。

 Far Yeast Brewingは、11年9月に創業したベンチャー企業だ。「Far Yeast」「馨和 KAGUA」というブランドのクラフトビールを醸造し、現在7種類のレギュラー商品を販売。欧米や香港など世界16ヵ国で事業を展開している。

 ビジネスが順調に拡大を続けていたにもかかわらず、山田がジレンマを抱えたのは、資金調達が成長の足止め要因になりそうだったからだ。

 クラフトビールは一般の製造業と同じく醸造設備の容量で生産量が決まるため、商品販売力に見合った「醸造設備の拡張計画の設計が重要」(山田)だという。そして、17年の夏当時、山田は設備拡張を考えていたが、資金の調達手法について悩んでいた。

 実は、山田は経営企画と財務のプロフェッショナルと呼ぶべき経歴を持つ。