新卒で大手ベンチャーキャピタルに入社し、黎明期のサイバーエージェントや後のライブドアであるオン・ザ・エッヂなどに活躍の場を移すと、上場準備や財務、M&A(企業の合併・買収)の実務を経験。その後、ケンブリッジ大学の経営大学院で経営学修士(MBA)を取得している。

 その山田が資金調達で頭を悩ませたのは、調達手法のバランスだ。「借り入ればかりだと利払いや返済で厳しくなり、逆に出資ばかりだと、より高いリターンを求められる厳しさや、持ち株比率の問題が出てくる」(山田)。

 山田は当時すでに、銀行からの借り入れやリースの利用はもちろんのこと、非上場ベンチャー企業の投資家であり、支援者でもあるエンジェル投資家からの出資というかたちでも資金調達を行っていた。

 さらに、新たな手法として、インターネット経由で不特定多数から資金を募るクラウドファンディングも試したという。

 クラウドファンディングは三つに大別される。資金と引き換えに商品・サービスを届ける「購入型」と、寄付金を集める「寄付型」、企業や事業に対する投資や融資を行う「投資型」の三つだ。

 山田はその中の購入型を利用したが、「設備投資を伴う資金調達としては限界がある」と感じたという。購入型は、「リターンが充実していないとプロジェクトに資金が集まらず、実質的には先払いを受け取るかたちでの商品販売だから」だ。

非上場企業の資金調達で
選択肢広げた「株式投資型」

 そうした悩める状況において、山田がかねて「チャレンジしたい」と思っていた、新たな資金調達手法を実現するサービスが産声を上げた。ベンチャー企業のエメラダが運営する株式投資型クラウドファンディング、「エメラダ・エクイティ」というサービスが開始したのだ。

「株式投資型」とは、15年5月に創設された新制度によって実現した、新たな投資型クラウドファンディングの一種。非上場企業に対して、株式の発行によって一般の個人から資金調達できる道を切り開いた。クラウドファンディング事業者による財務状況や事業計画、資金の使い道などの審査を通れば、年間1億円未満の範囲で資金を集めることができる。