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スマートフォンの理想と現実

スマホからアプリが消える日――web化していくスマートフォンの未来

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第11回】 2011年11月16日
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 あなたのスマートフォンから、アプリがなくなるかもしれない。

 現在スマートフォンをお使いのユーザなら、突然そんなことを言われても「意味が分からない」と思われるだろう。スマートフォンといえば、アプリ。そう表現しても大げさでないほど両者の関係は密接であり、巷にはアプリを紹介する雑誌やサイトが溢れている。

 予め種明かしをしておくと、スマートフォンからアプリが完全になくなるということは、おそらくないはずだ。しかし現在のように、スクロールを何度もしなければ全体が把握できないほどインストールされた多くのアプリを使いこなす、という利用スタイルは、減っていくかもしれない。

モバイル版Flash終了のお知らせ

 きっかけは、11月19日(現地時間)にAdobeから発表された、モバイル端末向け「Flash Player」の開発終了である。同社は今後、HTML5への取り組みを強化するという。このあたり、製品開発に携わっている方でないと、やや読み解きづらいかもしれない。

 ごく簡単にかいつまんで言えば、FlashはWebサイト上で、動画やゲームなど、よりインタラクティブ(双方向)な表現を実現するための技術である。現在は広告や一般のWebサイトなどでも使われており、PCでインターネットを使う方であれば、Flashの技術に触れない日は、ほとんどないはずだ。

 同様の技術は従来から数多あるが、FlashはPCベースのWebの世界で半ばデファクトの地位を占めている。その理由は、開発が容易であること。ハードウェアに一定の能力を要求するものの、高機能PCが安価で入手できる昨今では、取り立てて気にすることもない。

 こうした「追い風」を受けて、Flashの開発元であるAdobe社は、来るべきスマートフォン時代に備えるべく、このモバイル版の開発を進めていた。これが実現すれば、PCベースのWebで作られた様々なFlashの資産を、スマートフォン時代にもそのまま継承できる。コンテンツ提供者やユーザはもちろん、Adobeにとってもメリットは大きい。

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クロサカタツヤ[株式会社 企/株式会社TNC 代表]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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