「友人と起業」は
苦い経験だけ残る

 理想のチーム構成は事業内容によって変わってくるが、いくつか普遍的な注意点がある。第一に、友人を誘うのはあまりお勧めできない。多くの場合は、話を聞いてくれても、いざ動き出すと大きな温度差があることに気づく。そして、言い争いに発展するなど、苦い経験だけが残る。

 第二に、能力がありそうな人ではなく、実績のある人を雇うということだ。ベンチャー企業、中小企業、大企業などどこ出身でもよいが、いまから始める事業と類似する分野、類似する事業ステージで実績がある人を選ぶようにする。

 その中でも、所属する企業の知名度や資金力に依存しない人を見つけることだ。自立した人は、周囲の状況に関係なく成果を出す。知名度や資金力が足りなければ、周りに働きかけ、何としても成果を追い求める。創業期においては、自立した強い個人の集団でないと成果を出すことができない。

 最良のチームメンバーの見つけかたは、友人から紹介してもらうことだ。友人経由で紹介された人は、実績や人間性についてもある程度信頼ができて、かつ友人ではないため感情的なコミュニケーションが発生するリスクも少ない。客観的な実績があり、信頼できる人がよい。

「友人と起業」が失敗する理由

山口揚平(やまぐち・ようへい)
早稲田大学政治経済学部(小野梓奨学生)・東京大学大学院修士。1999年より大手外資系コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わったあと、独立・起業。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供する。2010年に同事業を売却したが、のちに再興。クリスピー・クリーム・ドーナツの日本参入、ECプラットフォームの立ち上げ(のちにDeNA社が買収)、宇宙開発事業、電気自動車(EV)事業の創業、投資および資金調達にかかわる。その他、Gift(ギフト:贈与)経済システムの創業・運営、劇団経営、世界遺産都市ホイアンでの8店舗創業(雑貨・レストラン)、海外ビジネス研修プログラム事業、日本漢方茶事業、医療メディア事業、アーティスト支援等、複数の事業、会社を運営するかたわら、執筆、講演活動を行っている。専門は貨幣論、情報化社会論。NHK「ニッポンのジレンマ」論客として出演。テレビ東京「オープニングベル」、TBS「6時のニュース」、日経CNBC放送、財政再建に関する特命委員会2020年以降の経済財政構想小委員会に出演。慶應義塾高校非常勤講師、横浜市立大学、福井県立大学などで講師をつとめた。著書に、『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)『デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座』(日本実業出版社)『世界を変える会社の創り方』(ブルー・マーリン・パートナーズ)『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』(アスキー・メディアワークス)『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』(ダイヤモンド社)『10年後世界が壊れても君が生き残るために今身につけるべきこと』(SBクリエイティブ)などがある。