幼児教育無償化や給付型奨学金など、教育に関する議論がたけなわだ。しかし、生活保護制度の理念はこうした動きと逆行している(写真はイメージです)

漫画家を目指す発達障害の子ども
生活保護は彼らを支えているのか?

 ただいま、幼児教育無償化や給付型奨学金の議論がたけなわだ。生活保護世帯の子どもたちに対しても、高校受験料を2回分支給する(上毛新聞記事)、大学や専門学校の進学に給付金を支給する(毎日新聞記事)などの施策が、厚労省を中心に検討されている。これまで、高校受験料は1回限りだったし、大学等への進学については何の経済的支援もなかった。一歩前進であることは間違いない。

 では、これらの施策によって、生活保護世帯の子どもたちは、大学などに進学しやすくなるのだろうか。大学などに進学した場合に抱える学業・生活の困難は、どの程度緩和されるのだろうか。

 今回は、専門学校に通う19歳の息子を持つシングルマザーの、現在進行中の生々しい実例を紹介したい。その上で、厚労省が検討している施策が「焼け石に水」なのか、それとも生活保護世帯の子どもたちの進学を本当に後押しする力になれるのか、読者の皆様にご判断いただければと思う。

 篠田真紀子さん(仮名・53歳)は、大阪府M市で、19歳になる息子の光さん(仮名)と2人暮らしをしている。生活保護を利用し始めたのは、光さんが5歳のときからだった。

 発達障害を持つ光さんは、幼少期から絵に熱中し、絵画コンクールで入賞するなどの評価も得てきた。現在は、漫画家を目指し、専門学校でマンガを学んでいる。

「誰にでも、得意不得意があると思います。そのデコボコが大きいのが、発達障害です。『デコ』を活かすことを、大人たちが助ければいいと思うんです」(篠田さん)