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週刊・上杉隆
【第116回】 2010年3月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
上杉 隆 [ジャーナリスト]

呆れた言論封殺に、姑息な見出し変更
日本の新聞に未来などない!

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原口大臣憎しとばかり
批判に躍起の読売だが

 騒動後、記者クラブ改革の旗手とも言える原口大臣は、直接的な表現を避けながら、このようなツイートを行った。そのためだろうか、翌日、原口大臣は露骨な嫌がらせを受けはじめる。それも実はツイッターを使いこなすジャーナリストの林信行氏が教えてくれたものだった。

〈読売新聞の原口大臣記事 「原口総務相釈明…ツイッターで津波情報流してた」 http://bit.ly/cy5YLO 何を釈明する必要があるのかわからない〉(林@ツイッター)

 チリ大地震の発生を受けて原口大臣は日本への津波対策にあたった。所轄大臣としては当然である。その際、原口大臣は、津波情報を自身のツイッターを通じて、早朝から深夜まで不眠不休で流し続けたのだ。

 詳細な避難状況や政府の対応を逐一伝えた行為は褒められこそすれ、決して批判されるべきではない。だが、記者クラブメディアにしてみれば、原口大臣はいまや最大の「敵」である。どうにかして足を引っ張ろうという強い意志が見出しに現れたのだろう。

〈原口総務相釈明 ツイッターで津波情報流してた

 原口総務相は2日午前の閣議後記者会見で、チリで起きた巨大地震に伴う津波の関連情報を自らのツイッター(簡易投稿サイト)に書き込んだことについて、「正確な情報を国民に伝えることを優先した」と述べ、理解を求めた。

 そのうえで、NHKなど災害情報を発信する放送機関について、「もっと適宜適切に、公共放送も含めて横並びでない細かな情報が流れるように、双方向のシステムがあればいい」と指摘した。放送行政と総務省消防庁を所管する総務相が、災害放送が義務づけられる放送機関より、ツイッターの利用を優先させる考えを示したことは、今後、論議を呼ぶ可能性がある。

 総務相は、地震発生後から、政府の対応策について平野官房長官らと行った協議など、計70件以上の情報を書き込んでいた。〉
(2010年3月2日11時00分  読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100302-OYT1T00431.htm

 だが、ネット上の批判を受けたためだろうか、読売新聞はすぐに自らの姿勢を改めた。といっても、その見出しを「釈明」から「弁明」に変えただだけである。その対応には、もはや姑息を通り越して呆れてしまう。

 これは読売新聞の常套手段なのだろうか。言論機関でありながら、堂々と言論で勝負することを避ける。事前の質問封じ、見出しの姑息な変更――。そこには自由な言論を作ろうという意思も、読者のために事実を伝えようという姿勢も、微塵も感じられない。自らのつまらない既得権を死守しようとする必死さのみが伝わるだけだ。

 記者クラブがどうなろうと筆者には一切関心はない。そうしている間にも日本のメディアの存亡の危機が迫っている。

 先週と同じ言葉を繰り返そう。時代遅れの既得権を守って「ガラパゴス島」に閉じこもっても、その断崖の先に日本のメディアの未来はない。早く世界の現実に目を向け、本当の陸地を探す旅に出かけるべきなのだ。

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上杉 隆 [ジャーナリスト]

1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 最新刊は、『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著)『放課後ゴルフ倶楽部』『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)

 


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