大分トリニータのルヴァン杯優勝が「大転換点だった」と誰もが口を揃える訳2008年のナビスコカップ決勝は大分トリニータのサポーターで埋め尽くされた

Jリーグが主催するカップ戦の「ルヴァンカップ」。25年間の歴史の中で、関係者が「大きな転換点となった」と口を揃えるのが、2008年の大分トリニータが優勝した大会だ。DOL特集「ルヴァンカップ25年目の真実」第3回は、ルヴァンカップの歴史を塗り替えたとも言われるこの大会を振り返るとともに、ルヴァンカップが地方貢献に果たしている役割を追った。(サッカーライター 江藤高志)

 25回を数えるJリーグYBCルヴァンカップ(旧ヤマザキナビスコカップ)の歴史の中で、ヤマザキビスケットの飯島茂彰社長が特に名前を上げるチームがいくつかある。

「それまでは関東圏のチームの優勝が続いたんですよね。そんな中、地方クラブとして初めて大分が出てきました。まあ、えらく盛り上がりましてね。観客も十分入りましたし。地元に帰っても祝勝会をやって、地域の盛り上がりに貢献したと聞いています」

 大会を協賛するスポンサー企業のトップとして、贔屓チームは「特につくらないようにしています」と語る飯島だが、あえて口にしたのが大分トリニータだった。

「サッカーをプロ化して、長い時間をかけて手探り状態でここまで作ってこられた中で、(Jリーグ事務局に)大変なご苦労があったのはそばから見ていて理解しているつもりなんです」と話す飯島が「今になってみると、全てよかったと思っています」と話せるのは2008年の決勝戦があったからだった。