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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

寄付のみならず、自ら考えどう行動したか?
企業のCSRに求められる新たなトレンド

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第57回】 2011年11月29日
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 日本財団が運営する公益コミュニティサイト「CANPAN」による「CANPAN CSR大賞2011」が発表された。今年で5回目となる同賞は審査委員会と一般生活者のインターネット投票により各賞が決定される。それだけに、日本社会のCSRに対する考え方、感じ方が現れやすいアワードであると考えられる。今回は、この受賞結果を分析しながら、社会的なCSRトレンドを考えてみたい。

 まず同賞の概要だが、今回は審査委員会が大賞のノミネート企業を14社選出。選考にあたっては、3つの基準が設けられた。

1)東証一部上場の全企業を対象にアンケート調査を実施。回答を得られた企業を対象として、東日本大震災後のすぐれた取り組みについて「CANPANアドバイザー会議」で6社に選考。

2)被災地ですぐれた取り組みを行なう企業を、地元NPOのネットワーク、具体的には「いわて連携復興センター」「みやぎ連携復興センター」「ふくしま連携復興センター」から5社推薦。

3)コミュニケーションの観点から優れた取り組みを行なったと考えられる企業を、雑誌「オルタナ」から3社推薦。

 いずれも、震災への取り組みが基準となっていて、これは当然であろう。今年の日本におけるCSRは東日本大震災とは無関係には語れない。

 こうして選ばれた14社のCSR情報をネットにアップし、一般生活者がインターネット投票を行なった。今回の投票者数(有効投票数)は2万2890である。

 以下、各賞の受賞企業と主な評価理由をご紹介する。

☆グランプリ=ヤマトホールディングス株式会社
評価点=震災復興支援として、宅急便一個につき10円の寄付を1年間継続することをいち早く決定した。グループ全体で約17万人の従業員全員が、震災復興支援のためのボランティア活動など、何らかの形で支援活動に関わる仕組みを作った。

☆準グランプリ(東証一部上場部門)=富士フイルム株式会社
評価点=被災地で海水や泥で汚れた写真を救う活動を支援する「写真救済プロジェクト」を立ち上げ、実施。社員やOBによるボランティアを集め、本業の技術を活かした取り組みを行なった。

☆準グランプリ(東北企業部門)=株式会社ファミリア
(筆者注:子供服販売を行っている神戸のファミリアとは無関係)
評価点=多賀城市と連携し、同市の草刈り業務のほか、農地の開墾に取り組み、雇用機会を作った。同社は、農業、林業、漁業に関する6次産業創出のためのコンサルティング事業や野菜直売・宅配事業・加工商品・サービス開発等を行なっている。これらの本業での経験を活かし、被災地の復興支援を行なっている。

☆コミュニケーション賞=株式会社フェリシモ
評価点=買い物をするごとにポイントが付与される「メリーしあわせ基金」による寄付集め(阪神大震災時にも実施し、約6年間で約4億円の寄付を集めた)。寄付先をお客様からのアンケートや社員有志のアイデアを元に決めた。東北の商品を販売するウェブサイトを開発し、間接的に復興支援に貢献した。

☆特別賞=株式会社八木澤商店
(1807年に岩手県陸前高田市で創業し、約200年にわたって醤油・味噌を製造してきた老舗企業)
評価点=自社も被災し事業を再開できない状況の中で、避難所等へ支援物資を届けるボランティア活動を展開。地域全体で復興するための、地元中小企業と連携した産業再生の取り組みを行なっている。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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