ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
西沢和彦の「税と社会保障抜本改革」入門

サラリーマンの妻・第3号被保険者問題とは何か
受給と負担がアンバランスな基礎年金の舞台裏を知る

西沢和彦 [日本総合研究所調査部上席主任研究員]
【第2回】 2011年11月29日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

厚生、共済、国民各年金制度からの基礎年金拠出金によって財源が賄われる基礎年金の構造に、現在、わが国の年金制度が抱える諸問題の根源がある。ここにメスを入れることなく、年金問題を論じることは出来ない。今回は、基礎年金の舞台裏を探り、それを踏まえて、年金制度の諸問題を考えたい。

基礎年金の舞台裏

 最初に第1回で述べたポイントをおさらいしておこう。ポイントは次の3つである。

1.わが国の年金制度は、厚生、国共済、地共済、私学共済(共済と総称)、および、国民各年金制度の分立を基本としており、2階建てとなっていない。

2.基礎年金は、制度というより、勘定であり、給付される際の名称である。

3.基礎年金の財源は独自にあるわけではなく、厚生、共済、国民各年金制度から、年金特別会計の基礎年金勘定に拠出される基礎年金拠出金で、賄われている。

 こうした公的年金のキャッシュフローを改めて示せば、図表1の通りとなる。例えば、民間被用者が支払うのは厚生年金保険料だけだが、それは、厚生年金給付と基礎年金拠出金に振り分けられる。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

西沢和彦 [日本総合研究所調査部上席主任研究員]

ニシザワ カズヒコ/1989年3月一橋大学社会学部卒業、同年年4月 三井銀行入行、98年より現職。2002年年3月法政大学修士(経済学)。主な著書に『税と社会保障の抜本改革』(日本経済新聞出版社、11年6月)『年金制度は誰のものか』(日本経済新聞出版社08年4月、第51回日経・経済図書文化賞) など。(現在の公職)社会保障審議会日本年金機構評価部会委員、社会保障審議会年金部会年金財政における経済前提と積立金運用のあり方に関する専門委員会委員。


西沢和彦の「税と社会保障抜本改革」入門

増加する社会保障費の財源確保に向けて、政府は消費税引き上げの議論を本格化させている。だが、社会保障をめぐる議論は複雑かつ専門的で、国民は改革の是非を判断できない状態に置かれている。社会保障の専門家として名高い日本総研の西沢和彦主任研究員が、年金をはじめとする社会保障制度の仕組みと問題点を、できるだけ平易に解説し、ひとりひとりがこの問題を考える材料を提供する。

「西沢和彦の「税と社会保障抜本改革」入門」

⇒バックナンバー一覧