新計画決定後、急ピッチで建設が進む新国立競技場。迷走の末、五輪後の利用方法が決まったが、クリアすべき課題は山積している Photo by Kosuke Oneda

 東京五輪が終われば、陸上競技の聖地で陸上競技ができなくなる──。

 11月13日、紆余曲折を経て、ついに新国立競技場の五輪後の利用方法が閣議決定された。陸上トラックをつぶして観客席を追加し、サッカー、ラグビーなどの球技専用にする。

 総工費3000億円超といわれた巨額の旧建設計画が、世論の批判にさらされて2015年7月に白紙撤回された後、同年12月に総工費1500億円の新計画が決定。その後、着々と建設が進む一方で、2年以上にわたり五輪後の利用方法が決まらなかった。最初の計画時点で、日本スポーツ振興センター(JSC)や東京五輪の大会組織委員会らが、陸上も、ラグビーも、サッカーも、各競技団体の要望を丸のみして全てを盛り込んだところから、迷走が始まった。

赤字見越し運営権売却か

 振り返ると、新競技場は本当に無駄が多い。

 すぐ近くに秩父宮ラグビー場があるにもかかわらず、19年のラグビーワールドカップを是が非でも新競技場で開催したいという意向が働き、8万人規模の巨大競技場を造らざるを得なくなった。そのため敷地が不足し、陸上の国際大会に必要な常設サブトラックを造れず、五輪後にすぐ壊す仮設サブトラックに約100億円ともいわれる資金が投じられてしまう。