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風雲急の食品スーパー再編
急浮上するアークスの存在感

週刊ダイヤモンド編集部
2011年11月30日
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 食品スーパー大手のアークス(札幌市、横山清社長)が大手総合商社から2人の幹部を招いた人事が業界内でさまざまな憶測を呼んでいる。

 同社は業務改革室と社長室を新設し、三菱商事の峰松繁氏と三井物産の花牟礼真一氏をそれぞれの室長に任命した。両氏は出向扱いで、出向期限は未定。峰松氏はひと足早く11月14日付で、花牟礼氏は12月1日付で着任する。

 アークスは全国的には無名だが、北海道の有力スーパーが経営統合のために発足させた持ち株会社で、道内ではイオンなどを凌ぐ売り上げトップ企業。今年10月には北東北が地盤のユニバースも傘下入りし、売上高は4000億円規模にふくらんだ。総合スーパー主体のイオンリテールやイトーヨーカ堂などを除き、食品スーパー業界ではライフコーポレーション(大阪市、岩崎高治社長)に次ぐ2番手企業である。

 業務改革室、社長室の新設は本社機能の強化が目的という。それぞれに創業経営者が残る傘下の事業会社の自主性を尊重してきたアークスでは、確かに本社機能は弱かった。ユニバースとの経営統合で本州進出を果たした横山社長は、さらなるグループ拡大の意欲を隠さない。だとすれば、グループ企業間の連携強化を図る業務改革室など本社機能の充実は当然の施策といえるだろう。

 だが、新設部署の責任者になぜ商社からの出向者を充てる必要があったのか。「今後のグループ拡大に向けて大手商社とのパイプを太くしておくことが得策と考えたのではないか」と、ある食品スーパーの役員は推測する。

 食品スーパー業界で三菱商事といえば、まず連想されるのが業界トップのライフである。創業者で会長兼CEO(最高経営責任者)の清水信次氏の要請を受けるかたちで三菱商事は約19%を出資。5年前、39歳の若さで社長兼COO(最高執行責任者)となった岩崎氏は三菱商事からの出向である。

 ダイエー創業者の故・中内功氏らと同世代の清水氏はすでに85歳。まだまだ意気軒高とはいえ、平成の初めに不動産会社の秀和と組んで業界再編を仕掛けた当時のあくの強さはなく、「後継は三菱商事に託した」と恬淡としたものだ。

 では、清水氏引退後のライフはどうなるか。前出の食品スーパー役員が「ウルトラC」として指摘するのが、三菱商事主導でアークスと経営統合する可能性だ。

 両社が統合すれば売上高1兆円突破は確実で、中四国地盤のマルナカと山陽マルナカが傘下入りしたばかりのイオン系食品スーパー連合の規模に肩を並べる。ライフは首都圏と関西圏地盤で地理的補完性もある。北のアークスが業界再編の台風の目として急浮上している。

 (「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 田原 寛)

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