「引きこもり」と聞けば、家や部屋の中にこもってしまって、外に出られないというイメージがある。
しかし、引きこもる人の中には、家の居心地が悪ければ、車の中にこもる生活や、ネットカフェ難民のような生活、さらにはホームレスのように路上で寝泊まりするケースまである。
なぜ家があるのに、ホームレスのような生活に走るのか。本人に、その理由を聞いてみると――。
電磁波?嫌がらせ?それとも幻聴?
下の階の住人が気になり眠れない!
東京都内に住む30歳代の後藤俊夫さん(仮名)は、就職活動に失敗。アルバイトを転々とする生活を送ってきた。
その後、首都圏にある実家を離れ、都内のアパートで1人暮らしを始めた頃から、ある異変に悩まされるようになる。
夜、布団に入ると、パチッと下から突き上げられるように、何か「電磁波のようなもの」による圧力を感じるようになったのだ。
「下の階の住人が自分の部屋に向かって、棒のようなもので突っつく嫌がらせをしているのではないか」
後藤さんは当初、そう思って、アパートの下の階の住人を訪ねた。しかし、何度呼び鈴を押しても、気配を感じるのに、ドアを開けようとしない。
下の階の住人は神経質そうな感じの女性で、毎日のようにマットを天日干ししている。しかも、その女性は、1日中、家の中にいるようだった。