パソコン(以下、PC)専門店「ドスパラ」や高性能PCメーカーとして知られるサードウェーブは、急成長するAI事業を軸に、デジタルクリエーション産業を支える取り組みに注力している。その実現に向け、多様な人材が自らの可能性に挑戦できる環境を構築している。
サードウェーブ永井正樹 取締役 社長執行役員
2025年7月期、サードウェーブの売上高は900億円を超えた。前期の771億円から大きく伸び、過去最高益も達成。Windows10のサポート終了や、コロナ禍に購入されたPCの更新需要といった外部要因も追い風となったが、「お客さまに選ばれるための努力を重ねてまいりました。26年7月期は売上高1000億円を目標に掲げ、まい進していきます」と意気込みを示すのは、永井正樹社長だ。
理念は「人をつくり 価値を生み出し 社会に貢献する事業を行う」。ミッションは「人々の創造活動の可能性を最大限にする」。高性能PCを通じて創造力を引き出し、新しい価値を社会に届けようという姿勢だ。
そして新たに「デジタルクリエーション産業をプロデュースする会社」というビジョンを掲げた。製品やサービスの提供にとどまらず、顧客層や文化、マーケットそのものを育てるという意思が込められている。「市場が育たなければ製品も広がらない。この世界全体をプロデュースするつもりです」と永井社長は語る。
そして、AI時代に呼応してAI分野への投資を強化。画像処理半導体GPUを搭載した高性能PCではすでに高い国内シェアを誇り、AIが高度化するほど同社の技術という強みが生きる。クラウドAIに加え、端末内で処理を行うエッジAIの需要も高まっており、「クラウドとエッジの両方に応える製品で市場を開拓していきます」(永井社長)。
