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大王製紙事件の“教訓”
こうやってオーナー経営者の暴走を防げ
「お金」と「人事権」を切り離す方法
―ACEコンサルティング代表 小川真人

小川真人 [ACEコンサルティング株式会社 代表]
2011年12月2日
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大王製紙の巨額融資事件。調査報告書は、制度や仕組みは整っていたものの、オーナーの権利濫用を防ぐルールが整備されていなかったと指摘している。では、具体的に「誰がどのようにして猫に鈴をつけるのか」。その仕組みとルールを考えてみよう。

オーナー経営者さえ排除すれば
問題は解決するのか?

 大王製紙の元会長で創業者の孫である井川意高氏への巨額貸付問題は、2011年11月21日に、会社側が元会長を特別背任罪で刑事告発することにより、一応の幕引きを図ろうとしているように見える。

 外部の弁護士を含む、特別調査委員会の2011年10月27日付の報告書によれば、「(会社の)コンプライアンスに係る基本的な制度や仕組みは整備されており、その見直し・改善も適時になされていた。しかし、大株主であり役員でもある創業家による権利濫用を防止するという観点からは特段のルール整備がされていなかった」ということらしい。そして、特別調査委員会は、「創業家一族が持つ絶対的支配権を薄め、ガバナンス、コンプライアンスが機能するように改革することが重要である」と提言している。

 この提言を素直に解釈すると、「悪いのはオーナー経営者で、それ以外の経営陣は、みな適切に業務を行っていた」「オーナー経営者がいる限りは、ガバナンス、コンプライアンスは機能しない」、ということになりはしないだろうか。そうだとすれば、上場しているオーナー会社は、全て、上場廃止にするか、ないしは、オーナー経営者を排除するか、その持株を分散させなければならないことになる。今回は、あえて、オーナー経営者を排除せずに、うまく、管理する方法を検討してみることにしたい。

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小川真人(おがわまひと) [ACEコンサルティング株式会社 代表]

公認会計士、公認不正検査士、日本法科学技術学会正会員。慶応義塾大学商学部卒業後、1986年、ピートマーウィックミッチェル会計士事務所(現在のKPMGあずさ監査法人)に入所し、会計監査・リスクマネージメント業務に幅広く従事。2003年より2008年まで、(株)KPMG FASにて日本における不正調査サービスの責任者(パートナー)として、不正会計調査、経営者不正調査、従業員不正調査、個人情報流出事件調査など、多様な不正調査やリスクマネージメント業務を提供。2008年4月より、ACEコンサルティングを設立して独立。


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