高卒の英語読み書き力で
仕事で英語を使うベースとして十分

 そして経験的に学んだのは、聞いたり話したりするよりも、実はむしろ読み書きのほうが大変だったということだ。

「外国に行くと子どもは、子ども同士の会話ならほんの数カ月でしゃべれるようになります。でも、数カ月で読み書きがちゃんとできるようには絶対にならない。日本語でも同じでしょう。本質的には読み書きのほうが大変なんです」

 その意味では、日本人の多くは中学、高校と6年間、英語を学んでいることは大きいと語る。

「日本の英語教育は読み書き偏重と言われますが、おかげで読み書きの基礎は、外国人としてはそれなりにできているんです。だから、自信を持っていいと私は思っています。高校卒業程度の英語力をきちんと理解している人は、少なくとも海外に出て、英語で仕事をするためのベースに不足はないということです。行った途端にネイティブと同様に、というわけにはもちろんいきませんが、英語を仕事の道具として使うためのベースには十分にあると思います」

 そしてこうも付け加える。
「日本は否応なく国際化するわけですよね。それは、日本のためでもある。そうなれば、道具としての英語力が必要な人は増える。ただ、言葉というのは、一朝一夕にできるものではありません。これからどこで必要になるかわからない、ということになるのであれば、英語力は若いときに身につけておいたほうがいいと思います」


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