日本人は歯医者選びに無関心だ。「家の近くにある」など、些細な理由だけで決めている人が多い。しかし、歯科医院は選ばなければ高い確率で損をする。実際にあった悪質な歯科医院のエピソードをもとに、良い歯科医院の選び方を、歯科衛生士でブロガーのナカタコマチ氏に聞いた。(清談社 あまの和代)

自費診療でぼったくられる
悪徳歯医者の実態

高額な自費治療を強引に勧めたり、わざと治療を長引かせるなど、悪質な歯科医も残念ながら存在する。少しの違和感も見逃さず、しっくりくる歯科医を諦めずに探す必要がある(写真はイメージです)

「自費治療でつけたばかりのクラウン(歯の被せ物)が、食事中に割れてしまったんです。治療した歯科医院に行ったら、『定期的にメンテナンスを受けに来ないと保障はきかない』と言われ、再治療として5万円を請求されました。5年間は無償で取り替えてくれるはずだったのに…」

 こう語るのは都内に住むAさん。治療した際に、メンテナンスに関する説明は一切なかったと憤る。

「説明があれば、当然行きました。でも、クラウンの治療が終わった時点で、次の診察の予約の話もなかったので通院は終わりだと思ったんです」(Aさん)

 治療から1年も経たないうちに、5万円のクラウンが割れたことについて説明を求めると、「あなたの歯並びや噛み合わせが悪いせいだ」と、まるでAさんに責任があるかのような言い方をされたという。

「メンテナンスの説明がなかったことを伝えたうえで、保障内で治療してほしいと頼みましたが、聞き入れてもらえませんでした。埒が明かないので、治療をすべて止めたいと伝えると、受付の方から『じゃあ、うちはもう何もしなくていいんですね?』と言われて終わりです。事務的な物言いに愕然としました」(Aさん)

 丸ノ内線沿線の駅から徒歩1分の場所にあるその『Z』という歯医者は、受付の態度も悪く、忙しなく動き回る歯科助手の姿が印象に残っているという。

「今考えれば、受付の態度を見た時点で、別の歯科医院に変えるべきでした。でも早く治療を進めたいあまり、家からすぐの『Z』に決めてしまったんです。ムダにお金がかかって、本当に後悔しています」(Aさん)