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ストレスで男性の発がんリスク上昇、国立がんセンターの研究

井手ゆきえ [医学ライター]
【第369回】

 あなたは普段の生活で、どの程度ストレスを感じていますか? 「少しだけ」「平均的(人並み)」「たくさん」──。

 国立がん研究センターの「JPHC研究」によると、精神的ストレスを「強く」感じている人は、発がんリスクが高いようだ。

 同研究は、1990~94年に40~69歳(平均年齢53歳)の成人男女を登録し、生活習慣と疾患との関連を調査したもの(継続中)。登録時点で体格指数や飲酒・喫煙といった生活習慣、果物、野菜の摂取量などを尋ねている。精神的ストレスについては、冒頭の質問を投げかけ、三つの回答と発がんリスクとの関連を解析した。

 登録者数10万1708人のうち、平均17.8年におよぶ追跡期間中にがんを発症したのは1万7161人。登録時に自覚していたストレスレベルとの間には関係性は認められなかった。

 しかし、5年目、10年目に実施した再質問の回答を分析した結果、追跡初年度から5年の間にストレス度が増加した人は、ストレスが「少ない」と自覚していた人より、発がんリスクが4~6%上昇。

 3回の調査全てに回答した7万9301人について解析した結果、10年間、常にストレス度が高かった群は、低かった群より発がんリスクが11%上昇していた。ただし、この関係が明確に示されたのは「男性」のみ。

 男性に限定して解析してみると、登録時のストレス度が「平均的」だった場合でも、追跡期間中にストレス度が増強した群は、一貫して低かった群と比べ、発がんリスクが20%も増加していることが判明した。特に喫煙者、飲酒者、がんの家族歴がない(つまり遺伝とは明確な関係がない)参加者で強い関連が認められた。

 研究者は「男性はストレスに対処する際、喫煙や飲酒に頼りがち」と指摘し、実際「ストレスの影響は、喫煙、飲酒の習慣や肥満の人で顕著だった」としている。

 ただし、ストレッサー(原因)から逃れたくても、そうは簡単にはいかない。したがって冒頭の質問に対し、即座に「たくさん」と回答した男性は、まず生活習慣を改善しておきましょう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 


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