貴乃花親方への共感・反感でわかるサラリーマンの組織忠誠度報道陣の取材にも無言を貫く貴乃花親方 Photo:日刊スポーツ/アフロ

「日馬富士暴行事件」の異様さ

 元横綱の日馬富士が、前頭で同じモンゴル出身の貴ノ岩を酒席で殴打してけがさせた事件は、連日の報道の多さに、率直に言ってそろそろ嫌気が差す頃合いなのだが、どうしても気になる点があって、筆者はまだ目を離せずにいる。

 気になる点とは、貴ノ岩の師匠である貴乃花親方がこれからどうなるのかだ。彼の意図は何なのか、その意図は達成されるのか、貴乃花親方自身がこれからどうなるのかといった諸々だ。

 それにしても、この事件は異様だ。事実の詳細がまだ明らかになっていないが、モンゴル出身の有名力士が複数で貴ノ岩を伴って飲みに行き、日馬富士が彼を殴打して怪我をさせたことは間違いない。

 当初伝えられたように、ビール瓶を使ったにせよ、あるいは後に日馬富士が否定したようにビール瓶は使わなかったにせよ、プロの幕内力士である貴ノ岩にけがをさせるまで殴るのだから、日馬富士という人の闘争的集中力は並外れた恐るべきものなのだろう。

 また、貴ノ岩が殴られている状況でも止めに入らないという、同席したモンゴル出身力士たちの行動も異様だ。貴ノ岩は何らかの“制裁”を受けていたのだろうか。