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「できるだけ早く消す」が得策でない場合も。
企業はネットでの誹謗中傷にどう対処すべきか

ダイヤモンド IT&ビジネス
【第5回】 2011年12月9日
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人や企業とのつながりを瞬時に構築できるソーシャルネットワーク(SNS)は、そのコミュニケーション機能の利便性によって日本でも急速にユーザー数が拡大している。反面、その拡散力ゆえに予期せぬネガティブ情報がネット上で瞬時に広まることで「誹謗中傷被害」を引き起こすケースも増えている。ネット上の誹謗中傷に関わる現状と法人のリスクマネジメント対策について検証してみた。

誹謗中傷は「犯罪」なのか?
どこに相談すればよいのか

「都道府県警察における相談受理件数の推移」
出所:警察庁「平成23年上半期のサイバー犯罪の検挙状況等について」より
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 さきごろ警察庁が発表した「サイバー犯罪等に関する相談状況」(右のグラフ)によれば、平成23年上半期の相談件数は前年同時期に比べて10%程度増えているが、そのなかで「名誉毀損・誹謗中傷」の相談件数は5193件と13%程度を占め、前年同期の5006件から微増傾向にある。

 日本における「サイバー犯罪」とは、金融機関などのオンライン端末を不正操作して他人の預金を自分の口座に移すなどの「コンピュータ、電磁的記録対象犯罪」、違法な物品をインターネットを利用して販売するなどの「ネットワーク利用犯罪」、他人のID、パスワードを無断使用してコンピュータを不正使用する「なりすまし行為」などの「不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反」に分類されている。

 つまり、これらの分類に当てはまらないインターネットによる「名誉毀損・誹謗中傷」はサイバー犯罪とは認められず、かつ刑法に「名誉毀損罪」の規定はあっても「誹謗中傷」に罰則規定はない。誹謗中傷被害を受けた人が情報発信者を「名誉棄損」「侮辱」などの罪で訴えるという手続きを踏むことになる。

 よって、誹謗中傷されたことをもって警察に届けたり相談する人の割合は実際の“被害件数”よりも少ないと考えられ、グラフの数字で読み取れる「誹謗中傷」の件数は氷山の一角であることが推測される。では、数字に表れない被害者は、どこに救済を求めているのだろうか。

 国民生活センターの消費生活相談窓口や迷惑メール相談センターなどに相談する方法もあるが、これらはあくまで相談窓口であり解決のための手続きは自ら取らなくてはならない。弁護士に相談する方法もあるが、誹謗中傷を受けるたびに時間をかけて法的手続きを取り、報酬を支払うことなどを考慮すると一概に現実的な解決方法とは言いがたい。

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