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2019年の仮想通貨で注目すべき動きは何か
――「イーサリアム」共同開発者のチャールズ・ホスキンソン氏に聞く

末岡洋子
2019年1月11日
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仮想通貨は2018年も話題を振りまいたが、年初のコインチェックの流出事件などネガティブさが強調された年とも言える。それでも、「財務システムは書き換わっている」と述べるのは仮想通貨「Ethereum」(イーサリアム)を共同で立ち上げたのち、新たに「Cardano」という仮想通貨の開発を進めているCharles Hoskinson(チャールズ・ホスキンソン)氏だ。2018年12月中旬、Hoskinson氏にこの分野で現在起きていることを聞いた。

何で支払うのかは重要でない

自分自身を「起業家」というHoskinson氏、31歳。起業は現在のIOHKで3社目だ。「自分の成功は、自分が構築したものが長く続くか、使われるかどうかにより決まる」と述べる

――現在我々が使う“お金(Money)”は今後どのように変わるのでしょうか?

ホスキンソン氏(以下・略) 財務システム全体が少しずつ書き直されている。10年以上前から少しずつ進んでいる動きだ。

 元々は紙だったお金がデジタルに、プラスティックのクレジットカードからモバイルデバイスへの移行が始まっている。モバイルマネーは世界中で普及し始めている。このプロセスにおいて、たくさんの未解決の問題がある。例えば、どの資産で支払うか――現在、消費者は商店ではその国の通貨で支払う。日本なら日本円、米国なら米ドルだ。だが、他の手段的価値で購入できるようになれば素晴らしい。例えば、株で支払う、航空会社のマイルで支払うことができたらどうだろう?

 仮想通貨は、このように視点と議論を広げて通貨以外で支払いができないかと考えるきっかけをもたらしている。

 1つ目の変化として、お金(Money)の改革が進んでいる。何で支払っているのかはそれほど重要ではなく、売る側が何を(支払いで)受け付けるかも重要ではないシステムが構築されつつある。

 現実に、日常生活で現地の通貨を意識しなくても生活できるようになってきている。クレジットカードで決済すれば、クレジットカード所有者は自分の通貨で引き落とされ、商店は自分たちの通貨で受け取る。日本に住みながら1円も持たずに生活できる。これは、自分の富をどう表現するか、保存するのかを個人が選択できるようになリつつあることを意味する。

 2つ目の変化として、これまでサイロになっていた資産のバリアが除去されつつある。株、金、不動産などの資産はそれぞれのマーケットプレイスでやり取りされているが、1つに融合されていく。一緒に取引できるようになる。これは現在のメディアに似ている。インターネット誕生前は媒体が分かれていたが、現在はインターネットの上で様々な媒体の情報を見ることができる。(資産も)グローバルに大きなマーケットプレイスがあり、価格を簡単に見出すことができる。流動性が高まり、詐欺など悪用の可能性も下がるだろう。

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末岡洋子

すえおか・ようこ/フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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