ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
山崎元のマネー経済の歩き方

仕組み債がたどった道を振り返る

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第206回】 2011年12月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 仕組み債とは、デリバティブの条件を加えてもともとの債券のキャッシュフローを変化させた債券だ。たとえば、高格付けの金融機関が発行した債券のキャッシュフローに、組成者(アレンジャー)となる証券会社(多くは外資系)が仕組んだデリバティブ条件を付加した債券を、販売者(アレンジャーとは限らない)が販売する。

 個人向けに売られていてトラブルの多い「EB債」と称する債券は、外資系証券会社がアレンジャーとなってデリバティブの条件を付加して、リテール販売網を持っている中堅クラスの日系証券会社が個人客に販売するのが典型だ。投資の際の主なリスクとしては、発行体の信用リスク、アレンジャーの信用リスク、デリバティブが持つ市場変動リスク、債券としての金利リスク、加えて現実問題として、商品に関する理解がある。

 たとえば、1年満期の円建ての債券だが、クーポンが5%あって、その代わりに、ある有名企業の株価が満期時点で販売当時よりも安くなっていた場合、現金ではなくて、発行当時の株価で計算された株数の株式で元本が償還される、といったかたちだ(投資家は株価の値下がりリスクを負担する)。

 仮に、「高格付けの債券なのに、5%も円建てで金利があるのは魅力だ。満期時に値下がりしていても、優良企業の株なら持っていれば将来回復するのではないか。その場合、優良企業の株を高いクーポンのぶんだけ安く買えたと思えば、腹は立たない」と思うなら、計算と説明は省くが、読者は「上客(=カモ!)」である。債券を買った瞬間、理論上は数パーセント損のはずだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


山崎元のマネー経済の歩き方

12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

「山崎元のマネー経済の歩き方」

⇒バックナンバー一覧