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山崎元のマネー経済の歩き方

個人のマネー運用で守りたい5原則

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【最終回】 2013年5月8日
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 「マネー経済の歩き方」というタイトルの下で、10年以上記事を書かせてもらった。残念なことに連載の最終回だ。連載の最後に当たり、自らマネー運用を行っている読者のために、今後長く通用する資産運用の心得5カ条をお届けしたい。

第1条 余計な手数料を払うな。

 金融業者に払う手数料は「確実なマイナスリターン」だ。「国内株式」「外国株式」のように、同じ資産クラスに投資する商品同士を比較した場合に、「手数料が高いけれども、運用がうまい」という商品は、事前には見つけることができないのが現実だ。

 手数料には、商品の購入時にかかる販売手数料と、運用期間中にずっとかかる手数料(投資信託では信託報酬)の2通りある。両方を合わせて1年間にかかる手数料が運用額の1%を超えるなら「高過ぎる!」と認識しよう。

第2条 リスクの集中を避けよ。

 効率がいいと思う資産に投資を集中したくなるのが人情だが、分散投資の有効性を軽視しないほうがいい。特に、株式に投資する場合は、業種の分散も含めて、投資対象を分散するほうがいい。プロのファンドマネジャーの仕事をしていても、分散投資のおかげで窮地に陥らずに済んだと思う場合が時々ある。分散投資は投資家自身の努力でできる投資内容の改善だ。

第3条 金融マーケティングを解毒せよ。

 運用商品のマーケティングは、年々巧妙になっている。投資理論には、行動ファイナンスと呼ばれる心理学を応用して投資家の非合理的な行動を研究した分野があるが、近年、これが運用商品の開発や商品の売り方にあって、投資家から見ると「悪用」されているように感じる。

 例えば、毎月分配型の投信は、年1回分配の投信よりも、課税が早まる分だけはっきり損なのだが、分配金が頻繁にあることの刺激の心地よさや、過去の分配金の安定を運用全体の安定性と誤認するような心理などに影響されて、金融リテラシーの低い投資家(高齢者が多い)によく売れている。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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