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山崎元のマネー経済の歩き方

ファンド・オブ・ファンズをめぐるあれこれ

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第271回】 2013年4月8日
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 ファンド・オブ・ファンズとは、複数のファンドを集めて一つのファンドとした商品だ。一般個人向けの投資信託にもあるし、機関投資家向けの運用でも、ヘッジファンドなどを集めたファンド・オブ・ファンズが存在する。

 個人向けの投資信託で最近多いのは、主に海外市場に上場されているETF(上場投資信託)を複数組み合わせたファンドだ。

 このタイプのファンドは、小口単位で行う投資に向いている。

 海外ETFは売買に外国株式と同様の手数料がかかる。ネット証券を利用すると手数料は対面型の証券会社よりも安いが、それでも、国内株式の手数料に比べると高いので、投資金額が小さい場合には比率的に小さくない負担になる。この事情は、外国為替の手数料にあっても同様であり、これらの手数料が必要な売買を、ファンドの中で機関投資家価格で実行してくれることにはメリットがある。

 また、商品としては通常の投資信託なので、小口から(500円ないし1000円程度の金額から)積み立て投資が可能だ。少額で積み立て投資して、金額がまとまったらETFに投資し直す「リレー投資」という方法にも使える。

 ファンド・オブ・ファンズを運用する会社のアセット・アロケーション(資産配分)の能力に「市場のタイミングをうまく予測して運用してくれる」というような過大な期待を抱くべきではないが、複数の資産クラスの比率を大まかに一定に保つ「リバランス」の手間を運用会社に任せることができるメリットがある。

 最近、特にネット証券系の会社から登場している商品は、信託報酬を低めに抑えていて、個人投資家が利用しやすいものが多い。これらは、総合的に見て、個人投資家がローコストで十分な分散投資の効果を享受できる「無難な」商品に仕上がっている。

 ただし、100万円を超える単位で投資できる投資家の場合は、自分で海外ETFに投資することで、同じ内容の投資を追加的な信託報酬なしで実現できるので、そのほうが得になる場合がある。

 自分で配分を管理して投資するほうが、何にどれだけ投資しているか、自分で把握できる点も好ましい。アセット・アロケーションは、原則として自分で行うべきだ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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