不利な条件を納得させる交渉には「質問」が欠かせない理由

ゲレンデで遭遇した
不公平な交渉事

 みなさんこんにちは、澤です。

 みなさんはビジネスシーンや私生活の中で、「自分にとって必然性のない依頼」や「明らかに公平性に欠ける取引」を持ち掛けられたことはありますか?

 世の中は、様々な交渉や取引に満ち溢れていますが、すべてが納得できる内容ではないですよね。「明らかにその条件はおかしいでしょ」といった内容を平然と提示されて驚くやらあきれるやら…という経験は誰しも持っているのではないでしょか。

 実はつい最近、私もプライベートな時間でそのような経験をしました。一瞬「この人は正気か?」と思ったのですが、途中から「これは記事にしよう」と思い直し、その思考プロセスについてヒアリングをさせてもらいました。その経験談なども踏まえ、「交渉のマネジメント」について考えてみたいと思います。

 まず、私の体験を説明しましょう。

 それはスキーに行った時のことでした。学生時代からのスキー仲間2人と私で投宿し、週末をゲレンデで過ごしました。その日はスキー場開きということもあり、ゲレンデでくじ引き大会が行われていました。

 宿の人の勧めで1口200円のくじを一人10口、つまり三人で30口6000円分のくじを購入しました。私たちはずっと滑っていたので、くじ引きには宿の人に代理で出てもらったのですが、宿に戻ると、なんとトップ商品のスキー板が当たっていたとのこと。

 その板は最上級モデルで、通常価格9万8000円とのことでした。とはいえ、板を山分けするわけにはいきません。「どうしようかね。じゃんけんかあみだくじでもして決めるか」と私ともう一人(友人Aとします)で会話していました。ただ、もう一人(友人Bとします)はその会話には入らず、なぜか妙にはしゃいでいました。

 帰り支度をしている最中、友人Bは宿のカウンターで女将さんと何やら会話していて、「取り付ける金具の値段は○円ですよ」「宅急便でお送りしますから住所教えてくださいね~」という声が聞こえてきました。