【IRレポート/ミマキエンジニアリング】紙“以外”へ印刷する産業用プリンタに特化! 4期連続増配予定のプリンタメーカーミマキエンジニアリング 代表取締役社長 池田和明(いけだ・かずあき)

広告や看板、工業製品や小物類、布地や衣料品用に特化したデジタルプリンタを開発・製造・販売するミマキエンジニアリング。開発人員が3割を占め、積極的な開発投資で独自の製品づくりを追求。今期は、過去最高の売上高と営業利益を見込むなど業績も好調だ。4期連続増配を予定し、株主還元の姿勢も打出している。

【どんな会社?】
産業用に用いるインクジェットプリンタを製造

 時計用水晶振動子の精密部品を組立てるメーカーとして1975年に創業。部品製造を請負うだけでなく、自社ブランド製品を作りたいという目標を掲げ、85年にペンプロッタ(ペンを用いて描画するコンピュータ制御の装置)をリリースした。

 96年には、インクジェットで印刷する産業用プリンタの第1号を発表。これが、今日に至るまでの主力製品領域となる。

 一般に、インクジェットプリンタといえばオフィスや家庭で使われる小型装置を思い浮かべるが、ミマキエンジニアリングが製造するのは産業用の大型装置。印刷する素材も、紙以外のさまざまな素材だ。

 プリント素材ごとに、販売市場を「SG」(サイングラフィックス)、「IP」(インダストリアルプロダクツ)、「TA」(テキスタイル&アパレル)の3つに分類。

「SG」市場の対象物は広告や看板。大型ポスター、カーラッピング、のぼり旗、案内看板など、屋内外のあらゆる掲示物を印刷できるプリンタを製造している。「IP」市場向けのプリンタは、自動車の計器パネル、時計の文字盤といった工業製品のほか、ギフト、ノベルティなど小物類の印刷に対応。「TA」市場向けは、カーテンなどの布や衣料品に柄などを印刷する。ポリエステルやレーヨン、綿など多様な布素材にプリントできる。

「水と空気以外なら何にでもプリントできる」というミマキエンジニアリングの産業用プリンタ。世界的にもトップクラスのシェアを誇る。次ページでは、グローバルニッチトップ企業としての同社の魅力に迫る。