「まさか」が「現実」になる時代――。しかしそれは本当に、突然、起きた出来事なのでしょうか?
よく目を凝らしてみれば、予兆はすでに現れていたはずです。そして、「歴史は繰り返す」というように、人間の本質、集団心理には時代を超えるものがあります。今、激動の時代だからこそ、時代を超える普遍の著作をひも解く意義があるのではないでしょうか。50近くに上るドラッカー著作のうち、すでに絶版となってしまった初期の“記念碑的作品”8タイトルを、電子書籍限定で復刊します。
ドラッカーが予言者と呼ばれた理由
(Peter F. Drucker)
没後10年を超えたにもかかわらず、世界中から注目され続ける「知の巨人」「マネジメントの父」。「もしドラ」の題材となった『マネジメント』、IT起業家のバイブルとなった『ネクスト・ソサエティ』など、その著作は生涯で50冊以上にのぼる。
詳しくは、
ドラッカー日本公式サイトhttp://drucker.diamond.co.jp/
「まさか」が「現実」になる時代――。
しかしそれは本当に、“突然”起きた出来事なのでしょうか?
知的労働者の時代、情報化社会、年金問題、資本主義の限界……
ドラッカーの著作は現実からさかのぼること十数年前に書かれたことが多く、それゆえ、予言者のようにあがめられることもありました。
(もちろん、本人はきっぱりと否定しています)
その代わりに、このようなお土産を残してくれています。
「それでも未来を知る方法は、ふたつある」、と(『創造する経営者』より)。
ドラッカーの答えは、2つ。
「一つは、自分で創ること」、「もう一つは、すでに起こったことの帰結を見ること」でした。
よく目を凝らしてみれば、未来の予兆はすでに今現在、どこかに現れているのです。
そして、「歴史は繰り返す」というように、人間の本質や集団心理には、時代を超えて通じるものがあります。
ドラッカーは経済・経営の神様として知られていますが、そもそも政治・社会・哲学にも通じた、“社会生態学者”というのが、本来の姿です。
善悪織りなす人間の本質、人間の集団心理、それが何を引き起こすかを常に考え、そのうえで人間が幸せに生きるための方法を追求してきました。
今、激動の時代だからこそ、普遍の著作をひも解く意義があるのではないでしょうか。
そのような背景のもと、50タイトル近くに上るドラッカー著作のうち、すでに絶版となってしまった初期の“記念碑的作品”8タイトルを、電子書籍限定で復刊します。
1 新しい社会と新しい経営
原題:The New Society, 1950年
2 変貌する産業社会
原題:Landmarks of Tomorrow, 1957年
3 明日のための思想
原題:Selected Essays/Gedanken fur die Zunkunft, 1959年
4 見えざる革命
原題:Unseen Revolution, 1976年(新版The Pension Fund Revolution, 1996年)
5 状況への挑戦
原題:Management Case Book, 1977年
6 乱気流時代の経営
原題:Managing in Turbulent Times, 1980年
7 最後の四重奏
原題:The Last of All Possible World, 1982年
8 未来企業
原題:Managing for the Future, 1992年
次回、原著の刊行順に8タイトルの概要をご紹介しましょう。
<第2回に続く>