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出口治明の提言:日本の優先順位

消費税の引き上げが実現しないと
野田内閣の求心力は一気に低下する

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第31回】 2011年12月13日
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政府は、12月10日の閣議で、2012年度税制改正大鋼を決定した。社会保障・税の一体改革に伴う消費税の引き上げ問題を強く意識して、利害調整が難しい配偶者控除やたばこ税見直しなど、重要な案件はすべて先送りされた。好意的に解釈すれば、「大事の前の小事は止むなし」という発想であろう。しかし、これでもし消費税の引き上げがうやむやにされるようなことになれば、野田内閣の求心力は一気に低下するのではないか。今国会における法案成立率の低さや、消費税引き上げに対する民主党内の反対勢力の動向などを勘案すると、野田総理は、引き続き胸突き八丁の難しい政権運営を余儀なくされるものと思われる。

短期的には消費税の引き上げが現実するかどうかが焦点

 野田総理は、年内に消費税の引き上げ幅(5%→10%)と実施時期を明らかにして、新春の通常国会に上程すると繰り返し言明している。そのこと自体は、政局的な発想を除外すれば、おそらく自民党を含め、市民のコンセンサスに近いものがあると思われる。

 以前にも、このコラムで指摘したが、ギリシャ問題に象徴されるユーロの混迷ぶりを見るにつけても、わが国の財政問題をこのまま放置していいと考える市民は、おそらくそう多くはないであろう。

 わが国は他の先進国と比較しても、歳入のうちの税収(今年度の当初予算では約41兆円)と歳出(同じく約92兆円)のバランスが著しく崩れており、膨大な債務(GDPの212.7%、OECD “Economic Outlook 89”(2011年6月))の返済問題を別にしても、税収増を図る以外に、収支を均衡させる方法がないことは明らかだからである。その意味で、消費税の引き上げが実現するかどうかは、新年度のわが国の政治動向を占ううえでも大きな節目となるものと考える。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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