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宿泊費“無料”で世界中に長期滞在できる!?
自分と誰かの住まいを交換する
「ホームエクスチェンジ」の魅力

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第174回】 2011年12月14日
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 クリスマスと年末の休暇を前に、どこかへ旅したい人々がたくさん出てくる。どこへ行くか、どこへ泊まるか。そんな時に、けっこう利用されているのが、長期宿泊用のバケーションレンタルというしくみである。

 バケーションレンタルにはいろいろな種類がある。共通しているのは、ホテル形式ではなくて、キッチンや居間などがついた住宅であることだ。もちろんそれ用に作られたアパート風のところを1週間単位で借りられるといったようなこともできるが、最近人気を呼んでいるのは「ハウススワッピング」。つまり誰かの住まいと自分の住まいを交換するという方式だ。その仲介をビジネスにしているのが、ホームエクスチェンジ・ドットコムというサイトである。何と、宿泊は「無料」である。

 さっそくサイトを覗いてみよう。

 現在、このサービスを介して借りられる家は4万件以上。物件は、148ヵ国と世界中に広がっている。ニューヨーク、パリ、ロンドンなどおなじみの観光地だけでなく、ホーチミン、シドニー、南アフリカなど幅広い。住宅がある地域も、都市部に限らず、ゴルフ場に面した家とか、サーフィンに便利な海辺沿いとか、フランスの田舎生活を楽しめる農村部とか、ともかく多様。これを見ているだけで、休暇の選択が一気に広がった気持ちがする。

 場所はともあれ、家を貸す側にもいろいろ都合がある。いつ、どのくらいの期間にわたって貸し出したいというのはもちろんのこと、子どもはお断りとか、滞在中はペットや植物の世話もして欲しいとか、そんな条件がついている。そうかと思うと、いる間は車を使ってもいいなど、寛大なオファーもある。そうした条件がすべてタグ化されていて、バケーション先を探すユーザーはこちらの条件を入力して、マッチする住宅を探すというしくみだ。

 マッチする家が見つかったら、さっそく相手に連絡をする。相手もこちらの条件が合うということになれば、ここから細かなやり取りを通して疑問点をクリアーにし、誤解がないようにお互いの条件や家の様子などを説明しあうということになる。意思疎通がうまくいき、またこの相手に貸して問題がなさそうだと判断すれば、スケジュールをフィックスして、バケーション計画完了ということになる。

 このホームエクスチェンジは会員制で、年会費は119.40ドル。3ヵ月会員というのもあって、その場合は1月あたり15.95ドルだ。いずれにしても、パリでホテルに泊まろうとしたら、1泊でもこの額を超えてしまう。そんな安い額で、世界のどこかにまるで居を構えるように長居できるのだと思えば、お手頃もいいところだろう。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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