これまでアサヒが取り扱ってきた「バス」「ヒューガルデン」は、来年1月からアンハイザー・ブッシュ・インベブに販売移管。世界ビール業界の巨人が日本史上への攻勢を強めている Photo by Akira Yamamoto

「コロナ」「バドワイザー」に「ヒューガルデン」。ビール通でなくとも聞いたことがあるであろう有名な海外ビールの数々。これらのブランドを保有するのが、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)だ。世界シェア3割を誇る巨大企業が今、日本市場で着々と足場を固めつつある。(『週刊ダイヤモンド』編集部 山本 輝)

「ヒューガルデン」など自社ブランド
ABIジャパンが直接販売

 ひっそりと取引先へ送られた一通の通知文書。そこに記されていたのは、ビール最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)の日本法人であるABIジャパンが、自社ブランドのビールである「ヒューガルデン」「ステラ・アルトワ」「レフ」について、来年1月から日本での販売を直接担うということだった。それ自体は、自然な成り行きではあった。

 背景には、アサヒグループホールディングスが昨年から今年にかけて行った欧州のビール事業の買収がある。

 従来、ヒューガルデンなど上記のブランドは、アサヒが輸入し、国内でライセンス販売を手掛けていた。だが、アサヒは約1兆円もの巨費を投じてABIから欧州事業を買収した。買収で獲得したイタリアの「ペローニ」やチェコの「ピルスナーウルケル」など欧州の有力ビールブランドについては今後、日本において自社販路で展開することを検討している。