ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
エディターズ・チョイス
2011年12月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
高野 登 [前ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長],三輪康子 [歌舞伎町のジャンヌ・ダルク]

前リッツ・カールトン日本支社長
vs“歌舞伎町のジャンヌ・ダルク”
スーパーホテリエ初対談!【前篇】

1
nextpage

21歳で単身アメリカに渡って以降、ヒルトン、プラザホテル、リッツ・カールトンなど超一流ホテルで35年。1994~2009年まで、リッツ・カールトン大阪、リッツ・カールトン東京の開業をサポート。このたび、『リッツ・カールトンとBARで学んだ高野式イングリッシュ』を著した高野登氏。
一方、「書籍オンライン」上で「おもてなしとは命を張ること」と言い切り、ホテルで日本刀を振りかざした男と対峙した、『日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人』著者の三輪康子氏。「書籍オンライン」の連載は、異例の累計100万PV超となった。
日本を代表するスーパーホテリエがお互いの書籍の感想、お客様へのホスピタリティ、制作過程の裏側について初めて熱く語った。

使命のある人とは、「心の筋トレ」をしている人

高野:三輪さんの著書『日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人』を読んで、「こんな人に会ったことがない!」というのが、正直な感想ですね。30年以上ホテル業界に携わってきましたが、三輪さんのように「日本刀に立ち向かった人」を僕は知らない(笑)。クレーマーと対決し、「この世の終わりだ」と思うような経験もたくさんされていますね。


高野 登(Noboru Takano)
1953年、長野県戸隠生まれ。前ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長。日本ホテルスクール卒業後、単身アメリカに渡り、20年間、ヒルトン、プラザホテルなどで活躍。1994~2009年、日本支社長として、日本にリッツ・カールトンブランドを根づかせる。
三輪 康子(Yasuko Miwa)
日本一のクレーマー地帯で先頭に立って部下を守りながら、モンスタークレーマーを体当たりで受け止め、次々ファンに変えた伝説の名物支配人。警察から「歌舞伎町のジャンヌ・ダルク」と尊敬をこめて呼ばれ、感謝状が贈られた。 

三輪:先日、ある右翼の方から電話がかかってきて、「歌舞伎町の活性化のために本を買え!」と言うんです。値段を聞いたら、「3万円だ」って。私、思わず言ってしまいました。
「まず、私の本を読んでから来てください」って。そうしたら、その方は本当に買ってくれたみたいで、「自分はもちろん、女房もこの本に感動しました! 三輪さん、サインください!」って。

高野:で、三輪さんは3万円の本を買った?

三輪:その人が言うんです。「めっそうもありません。買っていただかなくて結構です」と。丁寧におじぎをして帰っていきました(笑)。

高野:歌舞伎町という特別な立地とはいえ、「おもてなしとは、命を張ること」と言い切るホテリエとは、これまで出会ったことがありません。強いて言うなら、肝っ玉のすわった「地方旅館の女将さん」に近いかもしれません(笑)。

三輪:女将さん、ですか(笑)。

高野:警察が来ようが、やくざが来ようが、「はいはい、どうぞ」といなすような、そんな器の大きさを感じますね。歌舞伎町も大変ですけど、地方でもやくざがそれなりに力を持っているそうです。そんなとき、それを避ける女将さんと、うまく向き合う女将さんがいて、後者のほうが見ていて安定感があるんですね。

三輪:じつは私、3回死にかけています。なので、「いなせている」と言えるかどうか……(笑)。

高野:……(笑)。三輪さんが死にかけても死なないのは(笑)、「使命」があったからですね。使命とは、まさに「命」を「使うこと」。三輪さんは「命を使って、おもてなしをしなさい」という使命を天から授かったのでしょう。使命をもらっている人は、えてして「心の筋トレ」をやらされるんですよ。

三輪:「心の筋トレ」ですか?

高野:運動と同じで、見込みのある人には負荷がかかってくるんです。だから、いろいろな出来事が起きます。けれど、負荷に耐えることができれば、「心の筋肉」がどんどん大きくなって、強さやしなやかさが身についてくると思うんです。「虚弱体質を治すために始めた剣道で、日本チャンピオンになった」とか(笑)、そういう話がよくあるじゃないですか。イチロー選手も同じですよね。子どものころは華奢で、だからこそ体全体を使った打ち方が身についたわけです。マザー・テレサみたいな人は、とてつもない筋トレをしながら、「世界を見据える力」を得たのでしょう。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55

いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55

トレーシー・カチロー 著/鹿田 昌美 訳

定価(税込):本体1,600円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
子どもの豊かな心を育て、頭と体を伸ばしていくために親が知っておきたいことについて、最新の科学研究をもとに「最も信頼」できて「最も実行しやすい」アドバイスだけを厳選して詰め込んだ貴重な本。子にかけるべき言葉、睡眠、トイレトレーニング、遊び、しつけまで、これ一冊さえ持っていれば大丈夫という決定版の1冊!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


高野 登 [前ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長]

人とホスピタリティ研究所所長。前ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長。1953年長野県戸隠生まれ。ホテルスクール卒業後、単身アメリカに渡り、20年間、ヒルトン、プラザホテルなどでホテルマンとして活躍。90年にはリッツ・カールトンの創業メンバーとともに開業に尽力。94年以降、日本支社長 として、大阪と東京の開業をサポート。日本にリッツ・カールトンブランドを根づかせる。その後、長野市長選に出馬したが、現職に651差で惜敗。全国から企業研修、講演依頼があとを絶たない。

三輪康子 [歌舞伎町のジャンヌ・ダルク]

日本一のクレーマー地帯で先頭に立って部下を守りながら、モンスタークレーマーを体当たりで受け止め、次々ファンに変えた伝説の名物支配人。青森県生まれ。ホテル業界未経験ながら、着任当初、ヤクザ、売春婦、薬物密売業者などが徘徊していたホテルを粘り強い交渉と人情で、安全で清潔なホテルに生まれ変わらせた。その功績が認められ、警察から「歌舞伎町のジャンヌ・ダルク」と尊敬をこめて呼ばれ、感謝状が贈られた。


エディターズ・チョイス

ダイヤモンド社書籍オンライン編集部によるインタビューまたは厳選した特別寄稿。経済、産業、経営、社会問題など幅広いテーマを斬新な視点で紹介する。

「エディターズ・チョイス」

⇒バックナンバー一覧