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中央テレビで7分にもわたる弔電を読み上げ
金正恩氏の世襲・継承を受け入れた中国の狙い

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2011年12月21日
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中国政府・共産党の金正日総書記に対する弔意の中で、注目すべきは三男、正恩氏の権力継承を認めたことだ。中国にとっては北朝鮮の安定が第一。したがって、急速な政治的変化もない半面、核問題の解決も期待薄だろう。(北京在住ジャーナリスト 陳言)

 12月19日の11時03分(北朝鮮時間、日本時間12時3分)に、新浪ネットの公式ミニブログが金正日(キム・ジョンイル)総書記の急死を報じ、少し遅れて17分に国営の新華社も関連の記事を公表した。さらに12時の中央テレビのニュース番組を通して、多くの中国人がその情報に接した。

 中国では夜7時に、もっとも視聴率の高い中央テレビの30分からなるニュース番組の中で、異例に長い7分間を使って、中国政府の北朝鮮宛の弔電を全文読み上げ、その後、北朝鮮国民が号泣し、金正日総書記の死を悲しむシーンを放映した。

 1994年に金日成主席が急死して、3年間の喪に服してから、金正日氏は北朝鮮を掌握した。金日成主席と比べて、金正日総書記は常に変化しており、二国間関係上決して中国と協力的な政治家ではなかった。金正日総書記の地位を世襲していく金正恩(キム・ジョンウン)氏は、まだ若く、その政治的手腕はまったく未知数である。評論家の劉檸氏は「中国にとって北朝鮮はますます不安定の要素として動き出し、対応しきれなくなるだろう」と、予想する。

 金正恩氏は、本当に北朝鮮国民に受け入れてもらえるのか、半島は安定するのか、さらに核問題でどんな行方を示すのか。これらについては、金正日総書記の急死にともなって、中国でも議論の中心となっている。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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