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だれも望まない北朝鮮の崩壊
短期「安定」、長期「不透明」の内実を洗い出す

2011年12月22日
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 「今のところ非常に落ち着いている」。ある政府の関係者は、金正日(キム・ジョンイル)総書記亡きあとの北朝鮮情勢をこう分析する。いつものことながら、北朝鮮から発せられる情報が、非常に少ないため、関係各国とも今は情報収集に躍起となっているというのが現状だ。

 そうした制約状況の中で、金正日総書記の死去発表から、2日たった現段階で予想しうるメインシナリオは、短期「安定」、長期「不透明」ということになろう。外国に対して、何らかの軍事的行動を起こしたり、ミサイルを発射するなど、冒険主義的な行動に出る可能性は小さい。

強硬路線は取らない
北朝鮮内部の事情

 その理由の第1は、北朝鮮自身の事情による。

 北朝鮮は、2012年4月に、建国の父であり、金正日総書記の父でもあった故金日成(キム・イルソン)主席の生誕100年(金正日氏の生誕70年でもあった)を迎え、「強盛大国の門を開く」と、高らかに宣言していた。

 強盛大国と強弁しても、経済はガタガタであり、自国の力だけでは扉を開くことはできない。国際的な関係を改善して、米国、中国、韓国、日本など関係諸国からの支援を引き出す必要がある。そのためには、瀬戸際外交を展開し、時に冒険主義的な行動に出れば出るほど、援助の道が遠のくことは理解しているはずである。

 実際、北朝鮮は対外政策を柔軟な方向(あくまで北朝鮮から見て)に切り替えていたとみられる節がある。北朝鮮は2010年3月に起こった、韓国海軍の哨戒艦「天安」号の撃沈事件(北朝鮮は否定)、11月の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件以来、1年以上にわたって軍事的な行動を起こしていない。

 さらに、今年に入ってから、2度にわたる米朝会談が行われ、北朝鮮が核開発につながるウラン濃縮活動を暫定的に停止するのと引き換えに、米国が食糧支援を行うと報じられた矢先の、金正日総書記の死であった。

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