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ポスト・ビッグデータ時代の経営

製造業における
ビッグデータ活用の盲点と対策(2)

KPMGコンサルティング
【第3回】 2017年12月29日
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さらに先に進むために
~MR技術の活用~

 KPMGでは、AIの分析精度を向上させるための次なる一手として、MR技術の活用を検討しています。KPMGは「Microsoft HoloLens(ホロレンズ)導入支援サービス」を提供しており、当該技術がAIの精度向上に大いに有効であると考えています。

 HoloLensは、各種センサー、マイク、カメラ等のデバイスを搭載しており、今目の前で起こっていることをそのまま記録することが可能です。

 例えば、プラントのオペレーション現場等では、担当者が分厚いキングファイルを持ち、ページをめくり作業を行う、作業結果は後でPCから入力するといった風景が一般的ではないでしょうか。このような場合、PCから入力されるのは人が認識した情報が入力されることになりますが、この時点で人によるバイアスが入った状態となります。人が誤認識していた場合は誤った情報がインプットされ、見落としがあれば、そもそもシステムにデータがインプットされません。

 HoloLensを作業現場で活用することで、以下のような効果が期待できます。

その場にあるリアルな情報(画像、音声、センサーからの情報)をそのまま人のバイアスがかかることなく取得(超高精度な現場の情報を取得可能)

超高精度な情報を分析することで、より高精度なレコメンドが可能になり、人の意思決定のさらなる高度化を実現

AIのレコメンド結果を現実世界へ投影することが可能。現場担当者が作業対象のモノを見た際に、それに対するオペレーションがレコメンドされる

CAD画像を重ね合わせることにより、対象物に対する具体的なオペレーション指示が可能

Skype等の通信ツールを利用し、遠隔地にいる熟練技術者からリアルタイムで指示を仰ぐ

作業の進み具合を遠隔から常時モニタリング

出典:KPMGコンサルティング

 HoloLensを活用することで、これまで暗黙知として熟練の技術者に属人的に蓄積されてきた情報が、すべての作業担当者に還元されることになります。そして、作業品質はさらに高いレベルで均一化されます。適用範囲は、自然言語、画像からの製品状態、部品の組み合わせとマニュアル照合、作業指示、想定される不具合予測など、幅広く多岐にわたります。また、設計・開発時の手戻りの工数も大幅に削減され、製品の市場投入にかかる時間も短縮されることになり、製造現場の競争力の向上につながります。

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「ビッグデータ」が活用され始めた企業の現場で「ハードウェア資源不足に対する危機感」が問題となりつつある。この潮目の変化にいち早く気づいたコンサルタントが、「ビッグデータ時代の終焉」と「ポスト・ビッグデータ時代」の経営の要点を明らかにする。

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