売り上げの13%を物流に投じ
MBA取得者を倉庫管理者に

 まず、アマゾンの物流面での強さは、その特異な「物流戦略」にある。

 アマゾンでは、一般の会社に比べて物流の重要度が非常に大きい。それは物流への投資の大きさに表れている。アマゾンの2016年12月期の業績を見ると、売上高15兆9431億円(2016年12月28時点為替レートで計算)に対して、その13%をFulfillment(フルフィルメント・物流関連)費用にあてている。

 公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会の「2016年度物流コスト調査報告書」によると、日本の小売業の売上高に対する物流コストの比率の平均は4.85%であるから、アマゾンの物流コストがどれほど大きいかお分かりいただけるだろう。

 この物流に対するコミットメントが、人材の面にも表れている。アマゾンでは、MBAを取得した人間が倉庫管理者に就いていることが多い。物流を管理するには、物流のことだけがわかればいいのではなく、経営がわかり、システムがわかる人材が必要であるとの考えがベースにある。その視点で、優れた人材を物流にあてているのだ。

 その他、EDIと呼ばれるシステムで他の取引企業とデータ連携し、製造業並みのサプライチェーン管理を行っていることや、独自の需要予測システムによる購買管理、注文から納品までのフルフィルメントパスを最適化する仕組み、需要予測やEDIと連動した在庫管理、Kivaというロボットを活用し、フリーロケーション(商品ごとの保管場所が決まっていない保管形式)を前提とした倉庫管理などが、アマゾンの物流の高いサービスレベルを作り上げている。そのどれか一つが欠けるだけで、このサービスレベルは維持できなくなるだろう。

 また、その物流戦略のベースにあるのが、「アマゾン式ロジカル経営」とでも言うべき、数値に基づく経営だ。KPI、オペレーション、システムの3本柱が、このロジカル経営を支えている。KPI(Key Performance Indicator 重要業績評価指標)を定めている会社は多いが、アマゾンほどこれを厳密にレビューし、オペレーション改善に活かしている会社を見たことがない。