現在の防災計画の仕組みづくりで
災害から市民を守れるのか?
東日本大震災から10ヵ月が経とうとしている。今年は復旧の段階から本格復興が始まる再建元年でもある。一方、今の日本では、東日本大震災からの復興のみならず、首都圏直下地震や、東海、東南海、南海地震の三連動等の新たな巨大地震への対応も急務となっている。今度大きな地震に見舞われ国民生活に多大な被害が出ると、その影響は国内に留まらず海外からの日本への信頼は地に落ちてしまう。
このような状況に陥らないためには、防災の実効性を早急に高める必要がある。しかし、現状をみると東日本大震災から大きなインパクトを受けたことは確かでも、そのインパクトを自分の地域の安全に反映するまでには至っていないように感じられる。
現在の状況では、実際の避難が困難と思われる自治体―例えば、昼間人口が圧倒的に高齢者が多く、災害発生時に計画通りに避難ができそうにない地域―もある。また、近年避難における自治会の役割の重要性が認識されているが、個人情報の縛りにより要援護者の情報が共有できないでいる自治体も多い。