数字は「絞り出すもの」ではなく、「創り出すもの」である

 企業は何のためにあるか?
 そして、私たちは何のために働いているか?

 シンプルなことです。
 お金、労力、知恵などのリソースを投資して価値あるものを生み出すことによって、適切なリターン(利益)を得るためです。そして、獲得したリソースを再投資することで、世の中に提供する価値を最大化していく。だからこそ、世の中は豊かになり、企業は成長することができ、働く個人も喜びを感じることができる。「戦略的な投資」とは、まさに資本主義の本質そのものなのです。

 つまり、「ローコスト・オペレーション」とは資本主義から逸脱した考え方ということ。「ローコスト」に抑えることで、数字を絞り出そうと考えるとは、「世の中に価値を提供する」という企業本来の役割を放棄することに等しいと言えるからです。

 むしろ、企業は価値を生み出すために必要なお金はたくさん使ったほうがいいと言うべきです。その投資効率を最大化するために「リーン」に徹する。そして、世の中に価値を提供することに成功すれば、数字(利益)はあとからついてきます。つまり、数字(利益)は絞り出すものではなく、創り出すものなのです。そのためには、「リーン&ストラテジック」こそが正しい考え方なのです。